内容説明
劇団の看板女優・清水伶奈がストーキングされているという。脚本家の亀井明月は、ハチヤというストーカー男を追い払ってほしいと頼まれた。が、すぐにその必要はなくなった。この男が死体となって見つかったのだ。(「表題作」) 臨床犯罪学者・火村英生が鉄道トリックを華麗に暴く表題作をはじめ、本格ミステリ全4編を収録した傑作作品集!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
coolgang1957
55
文庫新装版が図書館の新刊棚にあったので借りてきましたが、初出はもう20年も前やそうです。時間が経っても色褪せずと言いたいとこですが流石に今となってはレトロというか有栖さんの愛読者にとっては懐かしい本でしょうね😆4編載ってましたが大阪在住のボクには、土地鑑ありありで、特に表題作は南海、JR阪和線沿線に暮らしているのでハルカもラピートも(ついでに新快速も🤣)お馴染みなのでトリックは明らか。謎解きを誰かに自慢したくて……そんな読み方で楽しい時間を持たせていただきました。2023/07/27
キナコ
23
短編ミステリー。全四編。古典的な双子のトリックかと思っていたら、また違った切り口で楽しめた。人の思い込みや自己中心的な考え方をうまく取り入れている作品。個人的には表題も好きだが『比類のない神々しいような瞬間』が好き。火村先生が全面で出てるわけでもないのに存在感が強いなぁ。2024/04/04
よし
23
どの中編も面白かった。一番気に入ったのは「比類のない神々しいような瞬間」で、そのときならではのダイイングメッセージがとても良かった。表題作の「白い兎が逃げる」は、うーん、長い割には中身が薄くて残念なかんじ。犯人もトリックもある程度予想がつく内容なので、有栖川有栖らしい語り口を楽しむ感じでした。それでも有栖川有栖が好きなので満足できたのですが。2023/11/03
ちゃちゃまるり
17
20年以上前の作品。新装版となって売っていたため購入。四篇からなる中編小説で、設定は古いがどの話も本格ミステリーとして捻りがあり高品質だった。中編小説のマイベスト。次作の「妃は船を沈める」も購入済なので楽しみに積読中。2023/07/28
まぁ
10
新装版の表紙が素敵で買ってしまいました。中編の中身は何回読んでもおもしろいし、犯人は覚えているけどトリックは忘れた!という頭脳なのでまたもやなるほど体験が出来ました。2023/07/28