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内容説明
「家庭のなかの知られざる労働者」の知られざる歴史が浮かび上がる!
家政婦と女中はどう違う?
家政婦は歴史上、いつから家政婦と呼ばれるようになったのか?
2022年9月、ある家政婦の過労死裁判をめぐって、日本の労働法制の根本に潜む大きな矛盾に気づいた労働政策研究者の著者は、その要因の一端を、市原悦子演じるドラマ『家政婦は見た!』に見出し、家政婦をめぐる歴史をひも解くことを決意した。
戦後80年近くにわたって、労働法学者や労働関係者からまともに議論されることなく放置されてきた彼女たちのねじれた歴史を、戦前に遡って描き出す驚くべき歴史の旅程。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
31
家政婦と女中はどう違う?家政婦は歴史上、いつから家政婦と呼ばれるようになったのか?戦後80年近くにわたり放置されたねじれた歴史を戦前に遡って描き出す一冊。ある家政婦の過労死裁判が浮き彫りにした労働基準法や労災保険の適用外とされる家政婦という立ち位置の歪さ。大正時代に生まれた派出婦会に始まり、そもそもの営利職業紹介事業の大部分が女中紹介だったこと、事業規制の時代からのサバイバル、そこから長らく続く家政婦紹介所の仮面という構図には驚かされましたが、著者の挙げる家事介護派遣などの何らかの対処は必要と感じました。2023/08/12
Francis
11
2022年の家政婦過労死事件裁判の判決を受けて書かれた労働法政策がご専門の著者の新著。「家政婦」はかつては「派出婦」と呼ばれ、本来であれば労働基準法を適用されるべき労働者として扱われるべきだった。ところが占領期GHQのある担当者が実態をよく見ないままその「派出婦」を派遣する派出婦会を労働者供給事業として禁止してしまったためにおかしなことになり、いつのまにか「家政婦」は労働者の扱いをされなくなってしまった・・、と言う。近代日本社会はもしかしたら今も女性労働者を男性と対等な労働者として認めたくないのですかね?2023/08/21
Inzaghico (Etsuko Oshita)
9
役人の性なのか(笑)、規則や法律の条文が多く、素人は読んでいてクラクラしてくるが、冒頭と最後に著者の論旨が簡潔にまとめられている。そして不当な扱いを受けてきた、否、今も受けている家政婦を『「正義の刃」の犠牲者』と評している。戦前戦後の悪徳人夫供給業者を罰して正すという試みの巻き添えを食ってしまったのが、家政婦だった。彼女たちが、そのモデルが生まれた当初の派出婦会からの派遣、というままでいられたら、そんなことにははらなかった。2023/11/01
てくてく
7
『働く女子の運命』などの著作のある、労働省官僚を経て労働法研究者となった著者の、2022年家政婦過労死事件裁判判決にインスパイアされた新書。歴史的変遷を取り扱っているため割と手ごたえがあるが、家事使用人概念をめぐる女中と家政婦(家事手伝い)に対する法規制の矛盾が明らかにされていて大変楽しかった。2023/09/13
Yuichi Tomita
6
家政婦過労死事件を契機に、家政婦の労働法における取り扱われ方を通史で説明したもの。 あまりにマニアックなテーマのため、しばらく積んでいたがようやく読了。労働基準法における「家事使用人」の扱いについては当然全く知らず、戦前に起業家マインド溢れる銀行員の妻から家政婦ビジネスが始まっている所など知らないことが多かった。現行法の一文の理解にここまで深めて分析する必要があるのかという驚きもあった。2024/09/12




