内容説明
昭和から平成へと変わった1989(平成元)年は,消費税の導入とリクルート事件で幕を開けた.それを契機に高まった政治不信のうねりは,やがて自民党長期一党支配を終焉させ,小選挙区制の導入を柱とする政治改革をもたらすに至るが…….竹下登内閣から橋本龍太郎内閣までを描く.
目次
まえがき
第1章 昭和から平成へ 竹下登内閣
第2章 超短命・非派閥領袖政権 宇野宗佑内閣
第3章 内外情勢に翻弄された竹下派「傀儡政権」 海部俊樹内閣
1 「選挙管理内閣」の宿命
2 日米構造協議と湾岸戦争
3 退陣を呼び込んだ「重大な決意」
第4章 最後の自民党単独政権 宮澤喜一内閣
1 ラストチャンスだった総裁選
2 PKO法案と政治改革
3 佐川急便事件の病巣
4 自民党一党支配の終焉
第5章 55年体制に引導 細川護熙内閣
1 非自民の寄木細工政権
2 数合わせの限界
3 国民福祉税構想から突然の退陣へ
第6章 求心力なき「少数与党政権」 羽田孜内閣
1 幻の渡辺首班工作
2 あっけなく崩壊した「一・一内閣」
第7章 自民党延命の緊急避難政権 村山富市内閣
1 「こげなことになった」
2 反村山の動きと新進党の誕生
3 阪神大震災・オウム事件
4 戦後50年の歴史的使命
第8章 経済危機に散った自民党復活政権 橋本龍太郎内閣
1 住専問題と普天間返還合意
2 一龍対決
3 「火だるま行革」の蹉跌
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しーふぉ
23
竹下内閣から橋本内閣までの期間をかなり細かい政界の動きが分かる本です。細川内閣での政権交代や村山内閣での社会党党首の首相など激動の時代。小沢一郎の力に集まり、小沢一郎の手法に嫌気をさして去っていく人々の時代でもあった。2017/10/07
ほうすう
14
竹下内閣から橋本内閣まで平成初期の政治史を描く。良くも悪くも小沢一郎の存在感が大きい。その割になんて人望のない人だろうとも思う。全体的に読みやすくはないのはなんだろうか。ちょっと言葉足らずであったり、時系列が崩れたりするからだろうか。個人的に自分の中でと著者の菅直人の評価がずいぶんと異なるのも興味深い。時代のせいというわけでもなさそうだが…。昔は人気だったのだろうか。2022/12/30
ぐうぐう
14
人が歴史を振り返る行為を欠かさないのには、そこに教訓が隠されているからだ。平成になって以降の日本政治史を記録し、検証する本書も、その目的が大前提としてある。平成が始まって四半世紀に満たない短い歴史の中にも、現在の政治が抱える諸問題の根源が垣間見れる。例えば、平成は竹下政権下での消費税導入で幕を開けたといっても過言ではない。その導入に至るゴタゴタは、野田から第二次安倍政権が消費税増税で直面したゴタゴタを彷彿とさせる。(つづく)2014/05/31
ほうすう
9
再読、気が付けばシリーズの続刊が出ており全五巻構成となっていた。一巻では竹下内閣から橋本内閣までを取り上げる。政治史というより政争史といった趣きで竹下派七奉行の対立がやっぱり読んでいて楽しい。2024/04/11
Piichan
8
「溶ける自民党」というのがこの本を読んだ印象です。盤石に見えていた55年体制が徐々に崩壊し、ついには細川内閣誕生、自民党下野につながりました。その後も自民党の変質は続き、小泉内閣で別物になったと言えるでしょう。2018/02/07