内容説明
ミチクサが多いほうが、人生は面白い!
てっぺんには裏から登ったって、足を滑らせたっていい。あちこちぶつかったほうが道は拓ける。
夏目家の「恥かきっ子」金之助は生まれてすぐに里子に出されたり、年老いた父親にガラクタ扱いされながらも、
道楽者の祖父の影響で子供ながらに寄席や芝居小屋に入り浸る。学校では異例の飛び級で頭角をあらわし、
心のおもむくままにミチクサをして学校を転々とするように。その才能に気付いた兄に英語を仕込まれ、
東京大学予備門に一番で合格した金之助は、そこで生涯の友となる正岡子規と運命の出会いを果たす。
伊集院静がずっと共鳴し、いつか書きたかった夏目“漱石”金之助の青春。
日経新聞の人気連載小説を書籍化し、「日曜日の初耳学」はじめ朝日新聞や「週刊現代」各紙誌で取り上げられ
「ラジオ深夜便」「大竹まことゴールデンラジオ」でも話題になった注目作が文庫化。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こーた
195
僕は漱石の熱心な読者ではないが、それでもこの小説を読むと、また漱石を読み返したくなる。多分にオマージュを含んでいる。なぜ僕は漱石に惹かれるのか?それが何となくわかる。シティ・ボーイ(江戸っ子)で真面目、博学秀才で、情にも熱い。粋、なんである。漱石も愛した落語のリズムが(それは漱石文学の呼吸でもあるが)会話によく活かされている。ときに、あれ?これ漱石が主人公だよね?とおもうような、周辺へウロウロ道草しながら、漱石という人物へ光をあてる。上巻は熊本五高時代まで。さて小説を書きはじめる下巻が愉しみだ。⇒2023/07/17
じいじ
79
伊集院さんが描く「漱石物語」は、想像を超えて面白いです。ご本人夏目漱石が書いた小説は、永年にわたって愉しませてもらってきたが、漱石の人物像については、ほとんど未知だった。どうも幼少期の漱石は、口数の少ない大人しい少年だったようだ。友人正岡子規と親交があったのは周知していたが、その中身は知らなかった。とにかく二人の会話が面白い。「君は英語が達者だから外交官に、ゆくゆくは外務大臣はどうだ」との子規の言に…「ボクは政治家や役人は性に合わん」と漱石はすべもない。嫁さんをもらって…、一気に佳境の下巻へ—。2023/08/14
ソングライン
10
ミチクサ先生こと夏目漱石の養子に出された幼少期から予備門での畏友となった正岡子規との出会いと親交、英語教師となり赴任した松山、そして妻律との新婚生活が描かれる上巻です。正岡子規と漱石との会話の軽妙さに魅せられ、二人が尊敬するもう一人の友米山保三郎の存在を初めて知ることが出来ました。下巻へ。2024/06/06
crnbooks
5
漱石の生い立ちや、周囲に慕われたという人柄を知っていくのが面白く、読みやすかった。上巻はキャラクターの立った子規が主役のようだった。彼らのような当時のエリートたちが、ともに漢詩や俳諧を学んだりしながら互いを認め合っていたというのは、その時代ならではで興味深かった。2024/10/06
よっしー
5
★3.5 夏目漱石の人となりが、ちょっとわかった気がする。2024/03/14
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