内容説明
皆が読みたい小説を書いてほしいんです!
「こんなに美しい富士山と海を、どんな文章でお書きになるのか、読んでみとうございます」
鏡子の言葉は、金之助の胸の奥を揺り動かした。
英語教師として松山で子規と過ごした金之助は、次に赴任した熊本では鏡子を迎えて新婚生活が始まる。
英国に留学している間に子規は亡くなり、帰国すると帝国大学の教師に。高浜虚子から子規ゆかりの句誌
「ホトトギス」に小説を書いてほしいと頼まれ、初めて書いた小説「吾輩は猫である」が大評判に。
やがて東京朝日新聞の社員として連載した数々の小説で国民作家となり、後進の文学者たちにも多大な影響を与える。
処女作「吾輩は猫である」がいきなり評判となり、「坊っちゃん」で国民作家に。
『機関車先生』『いねむり先生』に続く「先生」シリーズ第三弾!
日経新聞の人気連載小説を書籍化し、「日曜日の初耳学」はじめ朝日新聞や「週刊現代」各紙誌で取り上げられ
「ラジオ深夜便」「大竹まことゴールデンラジオ」でも話題になった注目作が文庫化。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
こーた
179
後篇では、英国留学から『猫』執筆を経て、専業作家へ。正岡子規、妻・鏡子、高浜虚子、寺田寅彦。家族や友人、弟子たちとの交流から、大小説家・夏目漱石の誕生が描かれる。シェイクスピアはやはり一度はひととおり読んでおかなければならないな。発表媒体(日経新聞連載)の影響もあろうが、そのエピソードの描写はサーヴィス精神にあふれている。万人が読めて愉しめることも大事だが、もうちょっと教養を重んじてもいいのでは、とおもわないでもない。少なくとも漱石は、当時の新聞連載でそうしていたのだから。2023/07/21
じいじ
77
金之助(漱石)の活躍ぶりは公私ともに忙しさを増して、さらに面白くなります。夫妻に待望の赤ちゃん誕生。妻の悪筆が遺伝しないことを願って筆子と命名。そして、親友の正岡子規にに宛てた句〈安々と海鼠如き子を産めり〉で、家内に一悶着発生です。こんなに一冊まるごと面白いのは何時以来だろう? 何処がポイントか考えてみました。夏目の小説はそこそこ知っているが、夏目の人柄や私生活は何も知らないからです。その漱石を取材してここまでに仕上げた伊集院氏に敬意を捧げたい。そして、この本を読んで、もっと夏目漱石が読みたくなりました。2023/08/16
piro
33
文学界における漱石の存在の大きさを強く感じた下巻でした。英国留学、帰国後帝大の教壇に立ちつつ小説家デビュー。その後の漱石(金之助)は道草する事なくひたすら書き続ける。そして彼に続く多くの小説家たちが世に出る手助けを続ける。その原点にはやはり子規との日々があった様に感じます。彼らの想いが明治の世に花開いた新たな文学の礎になったことは間違いない。自らの身を削る様に執筆を続けた漱石の情熱と責任感は凄いの一言に尽きます。改めて漱石の作品を読んでみたい気持ちが湧いてきました。2025/12/31
RRR
18
金之助(のちの漱石)が英国へ留学するエピソードは興味深いし、さらにデビュー作の「吾輩は猫である」が売れに売れたエピソードが実に面白い! 漱石先生は遅咲きというか遅くデビューしたことについて、人生は遅くはない、まずはやってみることだ、と思いました。人々にこれほど愛された作家さんて他にいるのだろうか? 晩年の漱石先生は体を患って、正に血を吐くごとしだなぁ。2026/03/11
coldsurgeon
7
夏目漱石の一代記。文部省に命じられイギリス留学するのだが、その間に正岡子規は病没。子規に進められていた小説を、名前を付けていない飼い猫の視点で描いた作品がデビュー作となる。漱石の作品はほとんど読んだが、それが書かれた背景をしることは、興味深かった。2026/03/29




