時代小説文庫 匂い松茸 一膳めし屋丸九（八）

著者名：中島久枝【著者】

角川春樹事務所（2023/06発売）

• ISBN：9784758445283

内容説明

秋鯖の季節。一膳めし屋丸九の今日の献立は、鯖のみそ煮、青菜とじゃこの炒め煮、なすのぬか漬け、熱々の汁と飯、そして小さな冷やし汁粉だ。働く男たちや常連にとって、おかみ・お高がつくる料理は明日への活力。でも、お高には気になることがあった。想い人作太郎が遣り手で有名な俵物問屋の女主・お寅から高額で引き受けた屏風絵の仕事を取り持ったことが、噂になっているのだ。そんなお高を、店の古参・お栄や幼なじみの政次、常連たちも見守っていたが……。味よし人情よしの大人気シリーズ、第一部完結！

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

[しんごろ]

むかご飯、あさり飯、松茸の吸い物、食べてたいよ～。さて、物語の方は、大店から大きな仕事を任せられた作太郎。筆が進まない。そんな作太郎を中心に話は進む。作太郎、もへじ、森三が一緒だった頃の事もわかる。筆が進まない作太郎を想うお高が、弁当を用意して、丸九から作太郎の家まで運ぶ姿が健気。悪いことは言わん。草介を選べよと思ったら、草介、嫁をもらうんかあい。吹っ切れた作太郎の書きあげた屏風絵を見てみたい。そして、成就したシーンは美しかった。これにて第一部完結。第二部はどんな話が待ってるのか。期待しかない。

2022/12/07

[おしゃべりメガネ]

シリーズ第８弾にて第１部最終巻です。八冊ながら、ここまでの道のりは月収短くはなかったように感じました。結局「作太郎」はじめ「森三」や「もへじ」の過去のいきさつはなんだか個人的にはしっくりこず。余計なお世話とは思いつつも「お高」さん、あなたホントにそれでいいのと思ってしまいます。二人の間柄がこれだけグダグダと引っ張ってきたワリになんだかあっさりとして、ま、良かったんでしょうけどね。このシリーズ、主人公枠のヒロイン＆ヒーロー以外のキャスティングに支えられたかもしれません。新シリーズ、果たしてどうなることやら。

2024/12/17

[タイ子]

シリーズ第8弾。匂い松茸、味しめじ。匂いはシイタケも負けてないと思うんですが。ここにきて第一部完結と言うことでお高の想い人・作太郎を中心に展開する今作。大店の女主人から屏風絵を引き受けたものの、なかなか筆が乗らない作太郎。お弁当を持って様子伺いに行くお高。2人の仲は相変わらず遠いのか、近いのか…。ほら、幼馴染の植木屋の草介が先に嫁を決めたじゃないの。私、作太郎より草介の方が好きだったんだけど（って、私の意見はいいか）。作太郎は親友だった亡き森三の絵を偲びながら苦悩。第二部でどんな人間模様が読めるか楽しみ。

2022/11/27

[kagetrasama-aoi（葵・橘）]

「一膳めし屋丸九」第八巻。七巻の感想で、お高と作太郎の仲、どうなるんでしょう？焦れったいです。と書きましたが、緩く決着したようで、良かったです( ☆∀☆)。お栄の女としての独白も気持ちわかるなぁって感じでしたし。普通の主婦にでも作れそうな料理の数々、でもお高が作ると一味違うことが感じられました。今巻は秋の味覚を楽しませて頂きました。今巻で “第一部” 完なんですね。と言うことは “第二部” のスタートを期待して良いんでしょうか？楽しみに待ちます(*^^*)。

2023/02/05

[はにこ]

これで第一部が終了とのこと。何となくユルい終わり方だったかな。作太郎、あんまり好きじゃないのよね。草さんの方が良かったのに。まぁ、丸九出来なくなっちゃうからね、仕方ないか。それにしてもこちらまで匂ってきそうな美味しそうな料理が良いね。読んでいるとお腹空く。さて第二部もあるのかしら。

2023/02/07