内容説明
葉桜の季節。常連でかまぼこ屋のご隠居・惣兵衛は、女房のお冬に、「あなたのお気持ちは、『ぶり』と思ってたら『かます』でした」と言われ、頭を抱えている。最近は、自分が贈ったかんざしを挿していないことも気がかりの様子だ。一方お高は、想い人の作太郎と寄席に出かけ、帰りに寄ったそば屋で思い出の料理について語り合うが……。かますの一夜干し、あさりのむき身と三つ葉のかき揚げにねぎ坊主の天ぷら、小竹葉豆腐、あずきのぜんざい。常連たちの悩みも新しい客の気持ちも懐深く受け止める、シリーズ第六作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
152
お高の作太郎に対する想いが届くのか。草介のお高に対する想いが届くのか。そんな恋模様もどうなるかな。お近の真っ直ぐな気持ちに若さを感じる。もへじと一緒になってほしいと応援したくなる。丸九メンバーのお高、お栄、お近には、素敵な恋愛をしてほしいね。料理はというと、小竹葉(おざさ)豆腐を食べてみたい。酒のアテにもなるし、ご飯のお供にもなりそうで、魅力的な料理だなあ。試してみたい。2021/10/28
おしゃべりメガネ
85
シリーズ第6弾。相変わらず話が何か大きく進むワケではありませんが、不思議と手にとると夢中になって読んでしまいます。本作はとにかく「お近」がナイスです。とある人への想いが募り、ド直球に想いを打ち明けます。しかし、不思議と'想い人'の反応はイマイチよろしくなく、「お近」はガッカリ。そんな彼女を彼女達ならではの慰め方でフォローします。本作は地味に「草介」が活躍してくれます。個人的には「作太郎」よりこちらのメンズのほうがいい感じかなと。そんな「作太郎」と「お高」の間柄は残念ながら?本作においても進展なしですね。2024/12/16
タイ子
82
「丸久」で働く3人の女性、お高、お栄、お近の3人とも想い人がいて彼女たちの恋心がそれぞれに面白い。お高の想う作太郎、お高を想う草介、気を使わない相手が一番だってことはお高も分かってはいるんだがこればかりはね。タイトルのねぎ坊の天ぷらがしみじみ胸を打つ。お武家の老女が認知症になり始めた時、丸久の食事に来始める。ネギ坊主の天ぷらで昔を懐かしんだ老女の前に現れた八百屋の主人。思わずもらい泣き。「瓜に爪あり、爪に爪なし」は自分が漢字を書く時、口にする言葉なので日本語の歴史を感じながらニヤリと。今回もごちそうさま。2021/11/06
kagetrasama-aoi(葵・橘)
45
「一膳めし宿丸九」第六巻。相変わらず出て来る料理は美味しそうで、食べたくなります。表題にもなっている“ねぎ坊の天ぷら”は、 作って食べてみたいです。そしてこのお話、現代にもある問題を絡めながら、凄く人情味が感じられる素敵な話になっていました。心に残りました。そして、恋愛については、お高は気持ちがはっきりしつつあるように見えましが、作太郎はどうなんでしょう?どうにかなるんでしょうか?お近はあまりに猪突猛進ではらはらします。続きが気になるシリーズです。2022/05/06
tomtom
22
わたしも大食い番組は好きではなくて、お高と同じで美味しそうに見えない人が多いからなんだよな。葱坊主を食べようだなんて思ったこともなかったけど、食べられること初めて知った。カサカサする前ならいいのかな。機会があったら食べてみたい。2023/03/22
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