内容説明
幼い頃に母を亡くし、ある事情から乳母に育てられた梓子(あずさこ)は、二十歳にして女房として宮仕えを始める。
だが人ならざるモノが視えるために、裏で「あやしの君」などと呼ばれてしまい、一向に主が決まらずにいた。
そんな折、殿上人が出仕してこない事態が続き、彼らは揃って怪異に遭ったという主張をする。
梓子は、帝の信頼厚い美貌の右近少将・光影(みつかげ)に目をつけられ、真相究明と事態収束に協力することに。
だが光影は、当代一の色好みという、艶めいた噂のたえない危険な人物で――!?
「後宮の花」シリーズで大人気の著者が贈る、雅であやしい平安お仕事ファンタジー!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
真理そら
69
20歳で女房として出仕した梓子はモノが見えるため挙動不審な時があり「あやしの君」と呼ばれ半年経っても所属が決まらないままだ。時代は特定されていないがモデルは想像できる。定子の死後、道長は左大臣、伊周は内大臣という状況。怪異に名前を付けるという設定が楽しいので続編希望。2023/06/15
坂城 弥生
38
帝や女御も登場していたけれどメインはあやかしの仕業の解決だった。2023/06/27
よっち
37
幼い頃に母を亡くして乳母に育てられ、二十歳で女房として宮仕えを始めた梓子。人ならざるモノが視えるため、忌避される彼女が、宮中で起きる事件を解決する平安お仕事ファンタジー。噂もあって一向に主が決まらずにいた梓子が、帝の信頼厚い右近少将・光影に目をつけられ、真相究明と事態収束に協力する展開で、三日三晩経っていた噂、双六で勝負したい骸骨、出席してこない上司、内大臣が献上した桜など、和歌をもとに梓子が怪異を縛る設定が斬新で良かったですね。帝も常識的な判断をしてくれる方で、何より二人の今後が気になるシリーズです。 2023/07/24
はなりん
21
母を幼い頃に亡くし、父は何処ぞの貴族だけど、誰かわからない梓子。乳母の妹を頼って宮仕えするも、妖が見えるため、敬遠され中々決まった部署で働けない。そんな中、宮中で怪異が起き、帝の寵臣である少将が梓子の力を知り巻き込まれる。そこから、2人で次々起こる怪異に対処しつつ、2人の仲も近づいて行く。少将に取り憑いているモノとか解決してないので、続くかしら?2023/09/02
ゆずきゃらめる*平安時代とお花♪
18
カドブンの夏フェスで初読み作家。「あやしの君」のいわれと美貌の貴公子?」のタッグで怪異〈モノ〉を縛る!〈モノ〉に名前がなく和歌からひっぱるのはいいアイデア。しかし細かい平安時代初期と中期をごちゃまぜで読みにくかった。2023/08/30