文春文庫<br> 父を撃った12の銃弾 下

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文春文庫
父を撃った12の銃弾 下

  • ISBN:9784167920487

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内容説明

アメリカ最高のミステリーに与えられる
エドガー賞最優秀長編賞最終候補。

わたしの父の身体には、
たくさんの銃弾が刻んだ傷跡がある――

全米の書評を絶賛の声で埋めつくした、少女と銃と父と、いまは亡き母の物語。

12歳の少女ルーは、父とともに亡き母の故郷に移り住んだ。それまでは父とふたり、各地を転々としながら暮らしてきたが、娘に真っ当な暮らしをさせようと、父サミュエルは漁師として働くことを決めたのだ。しかし母方の祖母は父娘に会おうとしない。母はなぜ死んだのか。自分が生まれる前、両親はどんなふうに生きてきたのか。父の身体に刻まれた弾傷はどうしてできたのか。真相は彼女が考える以上に重く、その因縁が父娘に忍び寄りつつあった……。

ティーンとしていじめや恋愛を経験して成長してゆくルーの物語と、サミュエルを撃った弾丸にまつわる過去の断章を交互に語り、緊迫のクライム・サスペンスと雄大なロード・ノヴェル、鮮烈な青春小説と美しい自然の物語を完璧に融合させ、みずみずしい感動を呼ぶ傑作ミステリー。

どんな小説が好みなのかを問わず、心に響くものがここには必ずある。(ニューズウィーク)

恋愛小説でありミステリーでもある、感動的な物語の饗宴。(ピープル)

※この電子書籍は2021年2月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

タツ フカガワ

46
読んでいる最中ずきずきと“痛み”を感じる小説でした。たとえば、バスルームに亡妻の思い出の品々を飾り付けるホーリーの喪失感。ルーに投げつけられた母の死に「あいつが殺したんだ。あんたの父親が」という祖母メイベルの言葉など精神的な痛みもあれば、ホーリーがアウトローな暮らしの中で受けた銃弾の痛みもある。なかでも12番目に受けた「銃弾#12」が白眉! 薄幸な少女の物語にも弱いけれど、ホーリーのように不器用な男のハードボイルドな生き方も好感。余韻も深くいい小説でした。2023/06/02

Shun

30
上巻からの続き。12の弾丸の傷跡にはそれぞれエピソードがあり、それらを追うことで現在の寡黙でタフな父親がどのように形成されていったかが分かります。そして異様な数の弾丸を受けた訳には当然犯罪が絡んでおり、彼がこれまで何をやってきたのか知ることになるが不思議と嫌悪感は膨らまない。それには妻と出会い娘が産まれ、そして幼子だった頃の娘に対する彼の眼に紛れもない愛情を感じ取れるからかもしれません。本作は犯罪小説であり家族小説でもある。父と娘を見ていれば感じてくる、二人の関係性にいつの間にか行為を抱いていることを。2023/06/28

おうつき

18
過去を巡る物語は現在にまで追いつき、父娘に襲い掛かる。不器用な親子関係にじんわりとした温かみを感じ、救いのある結末であって欲しいと願わずにはいられなかった。映像化してくれないかなと思う。2024/03/17

motoroid

2
ハードボイルドと西部劇、ジュブナイルなどいくつもの物語が絡み合った小説でした。大満足でした。2023/07/15

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