文春文庫<br> 父を撃った12の銃弾 上

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文春文庫
父を撃った12の銃弾 上

  • ISBN:9784167920470

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内容説明

アメリカ最高のミステリーに与えられる
エドガー賞最優秀長編賞最終候補。

わたしの父の身体には、
たくさんの銃弾が刻んだ傷跡がある――

全米の書評を絶賛の声で埋めつくした、少女と銃と父と、いまは亡き母の物語。

12歳の少女ルーは、父とともに亡き母の故郷に移り住んだ。それまでは父とふたり、各地を転々としながら暮らしてきたが、娘に真っ当な暮らしをさせようと、父サミュエルは漁師として働くことを決めたのだ。しかし母方の祖母は父娘に会おうとしない。母はなぜ死んだのか。自分が生まれる前、両親はどんなふうに生きてきたのか。父の身体に刻まれた弾傷はどうしてできたのか。真相は彼女が考える以上に重く、その因縁が父娘に忍び寄りつつあった……。

ティーンとしていじめや恋愛を経験して成長してゆくルーの物語と、サミュエルを撃った弾丸にまつわる過去の断章を交互に語り、緊迫のクライム・サスペンスと雄大なロード・ノヴェル、鮮烈な青春小説と美しい自然の物語を完璧に融合させ、みずみずしい感動を呼ぶ傑作ミステリー。

どんな小説が好みなのかを問わず、心に響くものがここには必ずある。(ニューズウィーク)

恋愛小説でありミステリーでもある、感動的な物語の饗宴。(ピープル)

※この電子書籍は2021年2月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

タツ フカガワ

46
物心がつく前に母親リリーを亡くしたルーは、体中に12の銃創がある父サミュエル・ホーリーと国中を渡り歩く暮らし。やがてルーが12歳のとき、母の故郷に移り住むが、祖母のメイベルは父娘を拒絶する。ルーの成長(青春)小説のようであり、そこにホーリーが銃弾を受けるに至った短編が挟み込まれるが、これがまた面白い。『ザリガニの鳴くところ』や『われら闇より天を見る』を思わせるような胸騒ぐ作品だなあと期待しつつ下巻へ。2023/06/01

Shun

30
海辺の町に定住しようとやってきた父娘。それまの彷徨のような生活の訳は父親の後ろ暗い事情があったが、娘が12歳になるといよいよ真っ当な生活をさせてやりたいという親心が見えます。その父には娘の知らない過去があり、また彼女の母親が亡くなった理由もそこに含まれているようだ。そして父の身体には弾丸によってつけられた12もの傷跡があり、その傷ができた時の父のエピソードを追想しながら、やがて物語は現在の父と娘へと繋がっていく。また12発分の弾丸のエピソードは時系列で描かれ、とても丁寧に彼らの来し方を知ることができる。2023/06/28

おうつき

19
上巻を読み終えた段階では話がどこに向かっていくのかまるで読めないけど、現代パートと過去パートを繰り返しながら父の12の銃創の秘密が徐々に明かされていくという構成は読み応えがある。この物語の最後に待ち受けているものは何なのか、下巻に期待。2024/03/14

ゆーすけ

4
今年一番感動した「ザリガニの鳴くところ」に似てる、というので気になって手に取ってみたけれど、「娘と暮らす今の父と、若い時の父の物語が交互に織りなす」「少女が不幸」という点以外では共通項が見つからない。登場人物が押し並べて喧嘩っ早く、常に犯罪を犯し、そんな誰もが普通の人という、世界にはどこかには当たり前に存在している風景なのだろう。日本で暮らしているとそんな生活は想像できず、新たな視点や気づきはあったけど、いま求めてるのはこれではなかった。文庫は上下巻構成のためここまで読み進めたけれど正直ハマれていない。2023/12/01

てっちゃん

4
父娘のストーリーだが、12の銃弾によって父の隠された過去が徐々に明らかになってゆく展開が面白い。下巻への期待大。2023/05/31

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