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内容説明
児童書初登場の科学者にスポットライトをあてた伝記シリーズ。ビキニ環礁の水爆実験で降った「死の灰」をはじめ、大気と海の放射能汚染などを研究し、優れた女性科学者に贈られる「猿橋賞」の創始者である猿橋勝子の研究と生涯にせまります。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
よこたん
41
“こんなにたくさんの雨は、空のどこにしまってあるのかなあ。” 自然の不思議に、どうして?が止まらなかった少女は、いつしか科学者の道を歩みだし、たゆまぬ努力と、こつこつと地道な分析を続け、後進への道を切り拓く人となった。伊予原さんの『翠雨の人』からこちらへ。児童書ながら、大変読み応えがあった。本人の資質に加えて、素晴らしい師や仲間との縁も引き寄せる力もおありだったのだろう。「猿橋賞」は聞いたことはあったが、どういう成り立ちなのか知らなかった。理科が好きそうな児童に読んでほしいなと思う。2025/10/30
ネギっ子gen
33
【児童書】科学者にスポットライトをあてた「はじめて読む 科学者の伝記」シリーズ。ビキニ環礁の水爆実験で降った「死の灰」を始め、大気と海の放射能汚染などを研究し、優れた女性科学者に贈られる「猿橋賞」の創始者・猿橋勝子の研究と生涯に迫る。巻末に、「さるはし新聞」「偉大なるリケジョの先輩たち」「猿橋勝子の生涯」「勝子に会える場所」「参考文献」。末尾の文章。<地球という大きな自然のふしぎを解き明かすおもしろさにひかれて世界中をとびまわり、日本の「マリー」たちを応援することに力をつくした、87年の人生でした>と。⇒2021/05/14
今庄和恵@マチカドホケン室コネクトロン
14
読友さんのレビューより。猿橋勝子の名を知ったのは猿橋賞を受賞した方の記事によって。しかし猿橋女史そのものについては全く知識がなく。もともとは気象畑だったのか、など知らぬことがいっぱいあるけど、女性というだけで閉ざされた門をいかに掻い潜っていくかのプロセス、今ある女性の権利はほんと先達が苦労して獲得して開いてくれた門なのだな。出版元は図書館用書籍を出しているところのようで、図書館がなくなるとこういう書籍と触れる機会もなくなるのだと思うと、効率化とかTSUTAYAとかで図書館の存在意義を損なわれることがあっ→2021/06/24
やま
13
「猿橋賞」という女性研究者への賞があることは知っていたが、猿橋さんがどういった方なのかは残念ながら知りませんでした。猿橋さんが科学し対して真摯に向き合い、しっかりと立ち向かった姿がこの本を通して見えてきました。こういった方が女性研究者のパイオニアとして、今でも多くの女性研究者を励まし続けているのですね。2021/09/21
しずくちゃん
5
猿橋賞は耳にしたことはありましたが、猿橋勝子氏については知りませんでした。「こんなにたくさんの雨は空のどこにしまってあるのかなあ」という幼い日の疑問がやがて勝子さんを科学の道へと導きます。マリー・キュリーへの憧れと共に。そして第五福竜丸の死の灰を分析し、大気・海水のCO2濃度の研究もして地球環境の研究の先駆者の1人となります。功績・生きる姿勢共に清々しく、高学年の子どもたちに手渡したい伝記だと思いました。2024/07/29
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