内容説明
「ねえ、たけぴーはどう思う?」
栞さんから丸投げされたのは、この高校にいるという“美人現役女子高生作家”の捜索依頼。
著書であるライトノベルを探しに訪れた書店で更紗と遭遇し、
「その作者って、三年の福間さんなんでしょ」
あっさり解決かと思いきや……真相はもう少し、複雑な恋愛事情が絡んでいて――。
一方で近づく秋の学園祭。作家捜しで妙な名声を得た僕は舞台の脚本を書くことになっていた。
とある事件からエースと部員が抜けてしまった演劇部。部に残された依頼者・戸部先輩に思い出作りだなんて言わせないため、瀬奈たちも巻き込んで準備は進み……
しかし迎えた本番、何者かが脚本を書き換えていたことが分かり!?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
38
部室にもたらされた、この高校にいるという美人現役女子高生作家の捜索依頼。丸投げされた優馬が著書であるライトノベルを探しに訪れた書店で更紗と遭遇する第二弾。女子高生作家の正体を巡るもう少し複雑な恋愛事情。その作家探しで妙な名声を得てしまった優馬が、ある事件から部員が大量離脱してしまった演劇部から託される舞台脚本の依頼。様々な思惑から優馬の周囲も巻き込まれてゆく中、この劇を象徴するような迷える二人が対照的な結末を迎えましたけど、勇気を持って乗り越えた彼女がこれから物語の構図をどう変えるのか続巻が楽しみですね。2023/02/01
芳樹
37
思いがすれ違っている高校生男女の群像劇第2弾は、シェイクスピアの四大悲劇がモチーフに。言葉に出せば望むようになるのでは?と思えますが、そうできないのも思春期の少年少女が抱えるもどかしさで、まさに青春と言えましょう。今回は表紙を飾る更紗を中心に進みますが、彼女をはじめ瀬奈や栞は次の選択をしたのに対して、優真と大我の男子サイドが停滞したように感じます。to be or not to be。しっかり答えを出すんだよ少年たち。さて、今回は文化祭で"人"を飲むシーンの美しさにドキドキしました。続きが楽しみです。2023/02/10
オセロ
32
シェイクスピアの著書の解釈になぞらえて、ライトノベルの新人賞を受賞した女子生徒の正体、文化祭を巡る一連の出来事と優馬が手がけた舞台の脚本の解釈などを通じて絶妙にすれ違う様子が堪らない! 更に『読み』間違いが深まった彼らの今後が楽しみです!2023/02/01
まっさん
23
★★☆ う〜ん…一巻と比べて満足度は落ちたかなぁと。 様々な思惑が入り乱れ、舞台は秋の学園祭へ。とある事件を切っ掛けに演劇の脚本家を任された竹久は、舞台を足掛かりに栞への黒崎の想いを伝えれるように画策するも、何者かの思惑の元で脚本が書き換えられていて…というお話でした。 前半は物語全体にあまり大きな影響を与えない小話のようなものでした。いくつかの勘違いの元に成り立つ関係において、想い人への気持ちを抑えようとする更紗。瀬奈への想いを自覚しつつある竹久。そして何かに気づきつつある瀬奈。そして関係がゆっくり→2023/08/29
和尚
19
随分と昔に一巻を読んで、その後二巻を積んでしまっていたのですが、積本整理の中で読み直しがてらで読了。 面白かったです。題材となる小説への感想みたいなものも頷けたり、それぞれの人間関係も読んでいて楽しめました。 一巻にからの二巻ですが、新しいキャラは登場しつつ、元々のキャラのそれぞれの関係性の深掘りというか、イベントはあって複雑さは増したものの進展が少なかった印象なので、瀬奈の視点含めて次なのかなと思い、ますます続きが欲しいなと感じましたね。2024/05/09