内容説明
高坂哲史が両親の遺した定食屋を継いで一年。定食屋をやっていくことにも、神様に魂を憑依させられることにもすっかり慣れてきた哲史は、今日も未練を抱えた魂の料理作りを手伝っていく。肉じゃがになりたいカレー、おばさんののり弁、ちょっぴり苦い焼き秋刀魚……。ところがそんな哲史のもとに、「定食屋なんてやめろ」と祖父が乗り込んできて――。どの料理にも大切な人への想いと物語があふれている、感涙のハートフルストーリー第三弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おしゃべりメガネ
95
前2作から、ちょっと間が空いてしまった第3弾です。正直、ちょいちょい登場する常連客をすっかり忘れてしまっていました。定食屋「てしをや」はとりあえず順調のようで、相変わらず次から次へとちょっとワケありなお客様がいらしてきます。そんな中、定食屋を営む兄妹の祖父が現れ、事態は思わぬ方向に。突如として現れたこの祖父がなかなかのクセ者で、読んでてなかなかイライラしました。過去作品同様にしっかりと感動させてくれますが、前2作に比べ、ちょっと印象薄だったかなと。マンネリ感は否めなく、今後の展開、果たしてどうするのかな。2023/12/28
はにこ
59
哲史が元カノとよりを戻し、妹の恋愛もお店も上手く行き始めたと思ったら強烈祖父登場。転職を強引に勧める祖父に二人が向き合う。哲史の体へのゲストは働く人々。誤解されがちな上司とワーキングママ。哲史の料理の腕は上がったか分からないけど、死者の想いを伝えるスキルはあがったね。あとがきを読んで、こういうお店だけじゃなく、小説家もレビューや口コミに支えられているのだと改めて思った。どうか私のレビューもささやかな助力になることを願う。2023/11/08
あっか
53
待望の新刊!おおげさじゃなく全話泣けました。宗介君とか貴理子さんとか、子どもやママネタには特に弱いわ…亜紀&夏美、宗介&夕子、稲田&目白、浩助&貴理子、そしておじいちゃん…全話良かった。し、やっぱり哲史が成長していく姿が良い。生きているからこそ伝えられる言葉、が刺さりまくりました。著者さん後書きにも感動!ふつつかな悪女〜が本当に面白くて、途中の白豚妃もめっちゃ良くて、中村颯希さんの他作品も読みたいと思っていたところこの神様の定食屋がKUにあって読んでみたらめちゃあったかい!の流れがここ1年くらいのこと→2023/01/18
れもん
42
図書館本。シリーズ3作目。三冊の中で一番良かった。一番心に響いた。一番泣いた。「あの日の粕漬け」は涙無しでは読めなかった。手料理を振る舞った相手からの「美味しい」という一言の温かさ、その一言がいつまでも、貰った人の心に温かく残る。「いただきます」「ごちそうさま」「美味しかった」どれも素敵な言葉だと、改めて気づきました。2024/03/22
ゴルフ72
41
いよいよ大団円!今回も一つ一つの話がほっこりさせるが、個人的には「ぶりしゃぶ」が思っていた筋書きとは違うものとなったかな?・・・兄妹二人を支えてくれた常連さんたちの温かさが身に染みる。このシリーズを通してたくさんの料理を味わせてもらいましたが、日本人には白いご飯とみそ汁とお漬物があれば最高なんですね。2023/07/04