内容説明
被害者は密室にいながらにして矢で殺され、あるいは自らが描いた絵の中で溺れ死ぬ……。犯人は密室に閉じこめられたまま殺人を犯し、足跡を残さずに雪道を歩く……。奇想天外な謎の数々を、名探偵の宿命を受け継ぐ者が、鮮やかに解決してゆく。前代未聞のトリック、水も漏らさぬロジック、衝撃的なラスト――本格推理小説の奇跡的到達点がここにある!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
セウテス
73
【南美希風シリーズ】第1弾。8編の連作短編集で、密室を始めに物理トリックを堪能できる。物語全体の根っこに、探偵の存在意義と「オズの魔法使い」が在る。兎に角、こんな物語の設定に驚きである。最初事件に偶々居合わせた料理人鷲羽恭一が事件の謎を解き、本作の探偵と思いきや3話目にて容疑者と思われた月下次郎が新たな探偵役となる。 さらに5話目にて、彼は舞台から降りてしまい、6話目からは運命に導かれる様に、南美希風が探偵として登場する。言わば、美希風の誕生秘話でもあるのだが、探偵とは受け継がれる生き方という考えだろう。2021/05/14
中原れい
53
やっと全部読んだ。書下ろしを加えて探偵リレーをした作品集で、後半メインの南美季風氏まで時系列なため順に読む必要があったがあんなことに💦 理詰めの犯人あてはなかなか読ませるうえ、ちょっとした仕掛け付きで楽しい。この作品集だとクイーンよりは島田寄りに感じる^^2023/07/06
gonta19
43
2011/1/28 Amazonより届く。 2014/9/30〜10/3 いつも柄刀作品の所に書いているが、私と柄刀作品は相性が悪い。が、この連作短編集は楽しめた。ネタばれになるので、詳しいことは書けないが、この展開は斬新。柄刀さんの実質的なデビュー作品や南美希風のデビュー作も含まれていて、柄刀さんにとっては、記念碑的作品なのかも。2014/10/03
usarlock
18
三人の探偵が順番に活躍する少し変わった連作短編集。最初の2編は犯人やトリックに対する意外性が薄くて微妙だったがそれ以降の話は最後の「本編必読後のあとがき」までしっかり楽しめた。印象強いのは「絵の中で溺れた男」で、密室のアトリエで溺死死体が発見される。水気の無い事件現場で被害者がどのようにして溺死したのかの推理が見事です。これと「わらの密室」で活躍している探偵が結構好きでしたね。この後もシリーズで続いているので読んでみようと思います。2014/11/17
miroku
18
連作短編集なのだが、途中で主人公が代わってゆく。その理由が…驚天動地!これは…やられた。 最初から最後までサプライズの連続。これは、いい♪2012/06/13