内容説明
実業家・加瀬恭治郎(かせきょうじろう)が、焼死体で発見された。刺殺された上に、部屋に火をつけられたのだ。6年前には、加瀬の妻が殺され、未解決となっていた。ふたつの事件は繋(つな)がっているのか!? 死体の傍らに落ちていた鍵、焼け跡から見つかった「もう一本のナイフ」……バラバラに見えた手がかりがひとつに収束(しゅうそく)するとき、驚愕の真相が──。名探偵・南美希風(みなみみきかぜ)の鮮やかな推理!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
セウテス
87
【南美希風シリーズ】第2弾。語り手の僕こと加瀬清治は、6年前に母親を殺害され犯人は捕まっていない。そして今回7回忌の集まりで、父親加瀬恭治郎がハウスの自分の部屋で殺害され放火されてしまう。数少ない滞在者の中に犯人は存在する、その殺害方法、動機、探偵美希風が論理的にひとつずつ推理を展開する。全体的に落ち着いた、じっくりとロジックを味わう、自分で推理を練り上げる事を楽しむ作品。淡々と物語は進むが、消去法を用いて他人の推理を踏まえた上で丁寧に紐解いていく、じんわりと良さが伝わる。推理に6日間かかったが、大満足。2021/05/20
yuu@mayu
25
『☆☆☆.5』巧い、骨太ミステリ、面白いから一気読み。だけど、なんか違和感がね…。どうも作者との相性がダメみたい。柄刀作品は、文も内容も丁寧でいいと思うけれど。2016/11/04
usarlock
25
南美希風シリーズの2冊目。何者かに母を殺された「僕」は母の七回忌に父も火災で亡くしてしまう。「僕」が暑い夏の日に体験した火にまつわる悲しい事件を南美希風が解決する本格長編。長編というには薄く、各ページの文字数も少なくて意表を突かれました。最後の理詰めの推理展開やトリックは面白く読めましたが、全体的に前作の方が良かったかも。南美希風のインパクトも少し薄い。柄刀さんは短編が面白いという噂を聞いたので色々と試してみよう。2014/11/23
coco夏ko10角
24
南美希風シリーズ。父親が刺殺され焼死体となって発見、犯人は敷地内の人間…。ロジック詰めていく流れがよかった。ちょっとしたことが伏線になっていたり。いい中編ミステリ。2018/02/19
gonta19
23
2011/1/27 Amazonより届く。 2012/11/19~11/20 南美希風シリーズの後発作品だったらしい。文庫オリジナルで初出よりも先に文庫化されていたようだ。文庫化は後だが、OZの迷宮、がシリーズとしては最初のよう。と、内容に関係無いことを綴っているが、それが私の個人的評価。作品として悪いわけでは無い。が、何故か個人的にはあわないようだ。以前から感じていた、柄刀作品とのミスマッチはどうやら決定的の様子。2012/11/20