内容説明
昭和最後の夏に、札幌で起きた密室連続殺人事件。それは、伝説的な奇術師・吝一郎の復帰公演が発端だった。吝家を覆う殺意の霧の中に浮かぶ忌まわしき宿縁――。妖艶にして華麗、絢爛という言葉さえ似合う不可能犯罪の連鎖に、若き推理の天才・南美希風が挑む。瞠目せよ!そして驚愕せよ!奇跡を現出して、読者を魅了する本格の旗手が放つ渾身の巨編1800枚!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
オーウェン
43
壇上のメフィストの異名を持つ吝一郎のマジシャン復帰公演が始まった。 だがその最中に一郎は殺され、吝家の豪邸が密室とすり替わる。 タイトル通りに密室がこれでもかと押し寄せるミステリ。 密室の種類だけでも5種類あり、本文中の8割がたは密室の解明に費やすという重厚さ。 犯人にしても何気ない言動や行動が、実は手掛かりだったという伏線の仕様。 まるで辞書かというぐらいに分厚い。探偵役の南美希風というキャラも魅力的で、幾つかシリーズがあるので合わせて読みたい。2025/12/20
つたもみじ
29
南美希風シリーズ第四弾。文庫で1240頁という長篇。長かったので数日掛ったけれど、面白かった。伝説的な奇術師・吝一郎の復帰公演が、そのまま最初の事件…三重密室へと繋がり。そこから冗長さの欠片もなく次から次へと事件が起きる。密室、密室、そして密室。その全てが一つの舞台のように装飾的。機械的に密室トリックを崩せば、同時に心理的なトリックに陥る。真犯人に関してはチラッと頭を過っていたのだが、著者の目眩ましにまんまと嵌ってしまった。伏線もキッチリ回収してあり大満足な一冊。密室モノ好きさんには全力でオススメしたい。2015/09/09
ダークスター
11
1240貢、長かったですが、最後まで楽しめました。他の南美希風シリーズも、是非とも読んでみたい。2017/12/17
yucchi
11
長かった‼︎‼︎読み終えた達成感は半端ない。初めて文庫本見た時、あまりの分厚さ(約4.5cm)に爆笑した。題名に違わず、密室密室また密室。一つの密室が他の密室トリック解明に影響を与えるので、どの手がかりを信用して良いものか...。トリック解明時にもう少し図解が欲しかった。真犯人が明らかになった時には「そりゃないわ〜」と思ったが、確かに伏線はある。 面白かったので伏線を回収しながら再読したいけど、これ再読するの相当気合い入れないとな。第8回本格ミステリ大賞の候補作だが、この年はレベルが高かったと思う。2014/04/17
浅木原
10
あらゆる意味での物量で読者を無理矢理ねじ伏せる無慮1200ページ。個人的に何にねじ伏せられたかというと、第一の密室の構図が作品全体の構図と重ね合わせられることで、「あの真相」が成立してしまうという事実。どう考えても100%脱力するはずのものをこの暴力的物量の長編の真相に設定して1200ページ読んだ読者を納得させようという暴挙、そもそもやろうとした時点で正気の沙汰ではないし、納得させられてしまったので降参するしかない。「納得するしかない反則」というこの逆説的構図が最大のトリックだ。参りました。2017/06/26
-
- 電子書籍
- ロマンティック・ダーク 18話 ebo…
-
- 電子書籍
- 公女殿下の家庭教師【ノベル分冊版】 9…
-
- 電子書籍
- 東京ミュウミュウ オーレ! 分冊版(2…
-
- 電子書籍
- 殿中~鬼役(三十一)~ 光文社文庫
-
- 電子書籍
- ハッピー!ハッピー♪(3)




