内容説明
石油景気に沸く沿岸の町ハンメルフェスト。町に侵入するトナカイをめぐりトナカイ所有者と住人とのトラブルが絶えない。そんななかトナカイ所有者の青年が、本土から島の餌場にトナカイを移動させている最中に狼湾(ヴアリギスンド)で事故死した。数日後、同じ湾で市長が死体で見つかる。偶然かそれとも? 腑に落ちないものを感じたトナカイ警察のクレメットとニーナだったが、青年が死亡した日にクレメットの叔父が撮った写真に怪しげな動きの人影が写っていた。日の沈まない夏の北極圏、北欧三国にまたがり活躍する特殊警察所属の警察官コンビが事件を追う。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ナミのママ
66
トナカイ警察シリーズ2作目。太陽が昇らない極寒の前作から時は過ぎ、今作は20時間以上も明るい季節を迎えたノルウェー。トナカイの群れは餌場を求めて移動し海を渡る。それだけでもビックリだったが、この土地がいわくつき。先住民やトナカイの大切な自然豊かな場であるとともに、原油や天然ガスも眠っている。となれば確執も伴う。最初にトナカイの群れが海に沈んだ。近くで 見守っていたトナカイ所有者が巻き込まれた。そこから繋がる不審死。今回もストーリー展開はゆっくり。歴史と風土を楽しみながら下巻へ。2023/02/02
キムチ
55
2作目とあるが お初の作家。前作を読まずとも流れに沿っていける。何せ、白夜とあって、一日の活動時間が長ーい・・ストーリーもゆったりというか。サスペンスというより、非日常の世界に起こる稀有な現象とそこに絡む人間の生臭みが実に新鮮な驚き。とはいえ人、金、セックス、蠢く権益の奪い合いは 世界共通 同じ色合い。減圧室での酸素セラピーとその効果は驚かされる。トナカイ警察という名前は可愛い響き。トナカイ所有者と新規参入の入植者らの軋轢は世界中散見している先住民問題と酷似している。WWⅡ後の独の圧政で苦しい時期を経た後2023/07/14
夏
32
『影のない四十日間』の続編。前作が謎を残したまま終わったので、その謎を解明したくて読んだ。物語は前作とは違い白夜の季節。そこでまたトナカイ所有者のサーミ人の青年が死んだ。ノルウェー、スウェーデン、フィンランドの北欧三国にまたがり活動するトナカイ警察のクレメットとニーナは、前作同様この事件の捜査に動き出す。原題はLe détroit du loup、狼湾。この小説を読んだことで、トナカイが泳げるということを初めて知った。トナカイは泳ぎが得意らしい。★★★★★2025/07/22
み
25
トナカイ警察の2作目。今作は、前作と逆に太陽がなかなか沈まない季節です、大変なエリアなんですね。お話しは、トナカイ所有者やサーミ人、地下資源開発が絡んでます。小説から社会勉強できるなんて!お得だわ~。下巻に進みます。2023/03/04
TOMIKA306
13
シリーズ2作目。今回は夏の話ですが、まず最初。4月22日/日の出 3:31/日の入 21:15/日照時間 17時間44分/昼間の気温:3度 と言う表記にぶっ飛びました。全く想像出来ない世界。夏場に白夜があると言う事はもちろん知っていたけれど。(北海道の夜明けも想像を絶する早さである事をつい最近知りました) 今回はトナカイ牧夫が事故死した数日後に市長が転落死。その後も数人事故死?と言う展開です。海底資源や土地と先住民族とトナカイが絡んでいます。前作よりおもしろいかも。2024/06/19
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