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内容説明
水道のじゃ口をひねるとき、あなたは、その水が、どこから運ばれてくるか、考えたことがありますか?
人間は、川の恵みを利用してきました。川からくんだ水を飲み、水田を作り、船で移動したり荷物を運んだりしてきました。もう一方で人間は、川との戦いを続けてきました。大雨に対しては、土手を築いたり土のうをつんだりしてそなえました。
やがて人々は、洪水をさけるため、コンクリートの堤防を作り、上流にダムを作るようになりました。ところが、洪水はなくならないのです……。なぜでしょうか?
世界のなかでも、急流として知られる日本の川。
自然と人間の間にはどのような歴史があるのでしょうか?
そして、川と、これからどのように付き合っていくのがよいのでしょうか。
サンケイ児童出版文化賞を受賞した、ロングセラー作品を新装版で。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
糜竺(びじく)
37
当たり前にあると思っていた川ですが、実は当たり前でない事が分かる内容でした。水はどこからやってくるのか、自然と人間の関わりや、雄大な水の旅が記されていて引き込まれました。水の原点は土にあり、その土の唯一の形成者が森林である事が分かり、また、日本の国土の7割が森林という事ですが、それが自分が思っている以上に、重要な役割を担っている事がよく分かりました。緑と水の豊かな日本ですが、当たり前にあるのではなく、日本での今までの歴史の中で、人々が上手に川と付き合ってきたので今があるのがよく分かりました。2017/10/03
星落秋風五丈原
17
学校の読書感想文の課題本。あの頃はぴんと来なかったが今水害が起きているのを見て思い出した。ただただダムを作れではなかった。1985/04/04
ツキノ
16
初版1984年新装版2012年発行。人と川とのかかわりの歴史、変化。水に対する考え方が変わる。森林は凄いのだ、なんてことも改めて思う。【55】2023/05/01
糜竺(びじく)
12
再読。2021/08/31
羊山羊
9
小学生の頃、貪るように読んだ。今、私達に最も必要な本だと思う。元々、居住地=氾濫原だった日本において、居住地は川のものであった。そこに人間がのさばった挙句、川を守る森までも犯してしまった。近年の水害を天候の激変に求めるのが現代の通説だが、はたしてそうか。本当は我々がこの足元を蔑ろにしすぎているのではないだろうか?「川はついに怒り出しました。「俺の領分の土地を返せ。土地はもともと川のものなのだぞ」」という一文が忘れられない。減災を訴えかける古典的名著。緊急増刷されるべき。2019/12/14