内容説明
時は文政時代――。
主人公は本所で口入屋を営む双六屋の若旦那。
仕事を探して訪れる人々に、新たな勤め先を紹介している。
しかし、若旦那が受け持つ客は、大店の元主、手癖の悪い男、身持ちの悪い女、博打好きな男などなど、「わけあり」の者ばかり。
勤め先を紹介してやったものの、騒ぎが絶えないのが常。父親にはいつも怒られているが、柳に風と気にする風もない。
人生は双六のようなもの。何度でもやり直せる。たとえ失敗しても、「いろは」からまた始めればいい。
これが若旦那の口癖。双六屋の奉公人たちも、ご多分に漏れず「わけあり」な男揃いだが、みな若旦那を慕っている。
困った客が引き起こす騒ぎに翻弄されながらも、懸命にそれを解決しようとする若旦那を、影から支えているのだった。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nyaboko
5
口入れ屋「双六屋」の若旦那の「わけあり客」センサーが今日も冴え渡る! いろんな人の話がどんどん重なり合って最後に綺麗に纏まったのが読んでてワクワクした。登場人物が多すぎるのと、誰がどのセリフをしゃべったのかわかりにくい部分もあって(説明文が少ない)、そのクセの強さに好みが分かれそう。2012/07/01
あき
3
若旦那のふんわりしたキャラが良い。長吉の行方知れずの理由はもう少し伏線が欲しかったかなって気もする。複数のパーツ(事件)が絡み合って一つの大きな絵になる、ってのを目指したんだろうけど、ひとつひとつの事件がイマイチ馴染みきってない感じ。大団円で終わってるので読後感は良い。2022/10/19
yuzi
2
初・六道慧。うむ。文章が軽くて読みにくい。やっぱり現代作家さんの文章は苦手だー。でも、時代小説の推理物の話で、口入屋のご主人が主人公ってのは初めて読んだ。幇間のひよっこ噺家・浜吉さんに絡めて、言葉遊びが文章にちりばめられているのも面白い。ご本人が江戸っ子ということもあり、殊更江戸っ子を推す作家さんのようです。事件自体がかなりややこしくってついていけなかった。でもとりあえず、次も読む。2012/04/14
ゆのっこ
1
ちゃんと読もうと気合を入れても内容が頭に入らないし目が滑る。登場人物が多いし、どんなキャラなのかも今一つわからないからだろうか。話の断片は何とか覚えていても核心を全く覚えていない。以前この作者の現代SF作品を読んだ時はちゃんと面白かったのに、時代小説向きではないのだろうか。
あここ
1
どたばたコメディって印象でした。伊之助さんふらふらしてるよぉでも、しっかりお客さん掴んでくる・・・けど収入的なことが心配(笑)想いっきり事件に首突っ込んでますけど大丈夫なんかなぁ。。。事件がぁ ちょっと分かりづらかったけど。伊之助さんたち周りの人たち好きなんでまぁぁいぃや。2010/05/14