電撃文庫<br> 春夏秋冬代行者 夏の舞 上

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電撃文庫
春夏秋冬代行者 夏の舞 上

  • ISBN:9784049139440

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内容説明

「汝の名は『夏』、春に続く者」――
 かつて、神々たる四季は、人間の一部にその力を与えた。春、夏、秋、冬。それぞれの季節を顕現する者は“四季の代行者”と呼ばれ、権能を得た彼彼女らは、人の身でありながら季節そのもの、つまり、現人神となった。
 時に黎明二十年、大海原に浮かぶ島国『大和』は激震に見舞われる。春の少女神、花葉雛菊の十年ぶりの帰還。過激派【華歳】による夏、秋への襲撃。そして、過去に類を見ない春夏秋冬の共同戦線。
 数多の困難を経て、勝利を収めた四季陣営だったが、ここで一つの問題が起きる。夏の代行者、葉桜姉妹が史上初の「双子神」となってしまったのだ。これは吉兆か、あるいは、凶兆か。季節は夏。いま再び、代行者たちの物語が幕を上げる。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

星野流人

59
春の巻も相当でしたが、この夏の巻でも相変わらず悪意と殺意に満ちていました。あまりにも主人公格以外に悪者や裏切り者が多すぎて、読んでてちょっと落ち込むレベルですね。そんな中で春の代行者と冬の代行者の遊園地デートは唯一ほっこりできるエピソードで良かったです。代行者たちの共同戦線から下巻の巻き返しに向けての準備が着々と進められていき、これからの展開がとても楽しみ。特に今回は葉桜姉妹の婚約者たちがどういった立ち回りを見せてくれるのか…そしてどんなふうに葉桜姉妹の心を解きほぐしてくれるのか。物語的にも恋愛的にも期待2022/07/31

えすてい

53
恋愛・姉妹愛・結婚、そして近親憎悪。瓜二つの双子だからこそ、複雑に入り交じり、コインの表と裏の関係だ。片方は夏の代行者に選ばれ、片方は護衛官に選ばれるはずが、二人とも代行者になるというイレギュラーな選抜。上っ面では「大好き」を装いながらも、黒塗りページで口には決して出さない激しい近親憎悪が綴られる。私や私の身内には双子のきょうだいがいないのでその心情はわからない。さて、雛菊とさくらは夏の洋服でテーマパークへ。江戸川の東にあるあの巨大遊園地がモデルだろう。二人の夏服は口絵にもあり読者には眼福ものだ。2023/04/03

y--75

46
夏の双子に危機が迫る。里の権力者の中には誰かしら悪人がいるようで……。右翼や左翼に相当する存在および権力闘争でのし上がろうとする者の存在が示唆されていて、現実世界の政治に対する批判が描かれているようにも思える。2022/07/30

るぴん

44
春の事件後、図らずも夏の双子神となってしまった葉桜姉妹。凶兆としてそれぞれの婚約も白紙に。夏の里長にはらわたが煮えくり返って仕方がなかった。代行者を敬わず、自分達の保身だけの〈老獪亀〉。スカッと彼らを一掃してほしい。あやめと連理は似た者同士だなぁ。自己犠牲がすぎる所も相手のためを思って素直になれない所も。雛菊の義兄・残雪の登場で、凍蝶が動揺したのにはにやり。もっと煽ってくれw突然出てきた「暁」と「黄昏」の射手には驚いたけど、これも四季の代行者以上に大変な仕事。こちらも守り人がいて主従関係が濃いのが良き。2023/02/28

よっち

41
花葉雛菊の十年ぶりの帰還。過激派・華歳による夏秋への襲撃。そして過去に類を見ない春夏秋冬の共同戦線。結果として史上初の双子神となってしまった夏の代行者・葉桜姉妹の物語。妹・瑠璃が神となってしまった葉桜姉妹の複雑な関係、護衛官となった姉・あやめの想い、双子神となった姉妹に向かう悪意。そして別の領域の現人神である黄昏の射手・輝矢のもうひとつの物語。春冬主従の関係のその後や秋の近況も描きつつ、葉桜姉妹と輝矢を中心に様々な思惑や葛藤・すれ違いを絡めながら積み重ねられてゆく繊細な描写、導かれてゆく物語は圧巻でした。2022/07/09

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