電撃文庫<br> 春夏秋冬代行者 春の舞 上

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電撃文庫
春夏秋冬代行者 春の舞 上

  • ISBN:9784049135848

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内容説明

「春は――無事、此処に、います」
 世界には冬しか季節がなく、冬は孤独に耐えかねて生命を削り春を創った。やがて大地の願いにより夏と秋も誕生し、四季が完成した。この季節の巡り変わりを人の子が担うことになり、役目を果たす者は“四季の代行者”と呼ばれた――。
 いま一人の少女神が胸に使命感を抱き、立ち上がろうとしている。四季の神より賜った季節は『春』。母より授かりし名は「雛菊」。十年前消えたこの国の春だ。雛菊は苦難を乗り越え現人神として復帰した。我が身を拐かし長きに亘り屈辱を与えた者達と戦うべく従者の少女と共に歩き出す。彼女の心の奥底には、神話の如く、冬への恋慕が存在していた。
 暁 佳奈が贈る、季節を世に顕現する役割を持つ現人神達の物語。此処に開幕。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おしゃべりメガネ

128
レビュアー大賞課題図書でなければ、まず手にとるコトのない作品でした。装丁からして、悪い意味ではなく、自分には馴染みのない世界観だなぁと。読み始めて、さすがはライトノベル、サクサクと読み進めてはいけますが、ライトノベルがゆえなのか、キャラの造形がなかなか極端な感じがして、少しキツかったです。作品の世界観は面白いとは思いましたが、夢中になって読めたかと言われるとアラフィフのオッサンにはちょっと無理がありました。ツンデレキャラがわんさか出てきて、ちょっと食傷気味でしたし、素直にキャラを受け入れるコトができず。2021/10/31

美紀ちゃん

106
死を持って誰かを守ろうとすること。それは愛だと思う。しかし残されたものは?本当に守ることができているのか? 春の代行者は知っていたから、 冬の代行者を守って犠牲になった。 それが10年前の雛菊と狼星の事件。 やっとここまで。 これからの話が知りたい! 狼星は、残酷な運命と10年戦っている。 「死にたい」に負けないで生き続けて、戦機を待った。 強い想いだと思う。 続きが楽しみ。 暁佳奈さんの新作 アニメ化しそう。 描写が細かくて美しいので、また京都アニメーションで、制作して欲しい。 とても期待している。2021/07/04

starly

95
紡がれる文章の表現が和でとても雅。それはまるで暖かい春を思わせるような美しい和風恋愛ファンタジー。 春、夏、秋、冬とそれぞれの四季が各地に季節を齎す役割を司る現人神、4人。主に春と冬の現人神がお互いを恋い焦がれ想う恋愛物語。幼い頃、春が拐かされ10年も行方不明だった。その間に春を想う冬の感情と言ったら…こちらの胸がキュッと苦しくなるほどでとても切なかった。この作品のキーワードは【耐え忍び、戦機を待つ】。今現在に向けられたメッセージのように思えます。2022/07/09

きいたん

94
健気だ。なんと健気なのだろう。主君に、初恋の君に、大切な者に、ただ一途に想いを寄せる。その幸せを願い、その為に在らんとする。春夏秋冬。巡る季節を司る者とその従者。この国に生きる民にとって四季は大切なもの。もちろんわかっているし、その為の責務を全身全霊をもって果たしたい。だが彼らも人間なのだ。恋とか愛とか、そんなものを全て乗り越えた切望。己の立場と使命に従って生きる痛み。彼らの秘められた謎が一つ一つ明らかになるにつれ、その感情が胸を刺す。そして押し込められた心は遂に溢れ、信じた道へ歩み出す。面白い!下巻へ!2021/10/20

rico

89
献本で。いかにも…て感じのカバー絵に35歳以上お断り!?・・・かと身構えたけど、この世界観・リーダビリティはなかなかのもの。神より四季を司ることを託され現人神となった代行者たち。それ故に背負った重荷。過酷な運命。従者たちとの絆。絶体絶命の危機に彼らはどう立ち向かう?というとこで上巻終了。展開は概ね予想できるし、ラノベらしい人物造形や会話にドン引きしつつも、気がつけば一気読み。ひねくれたオバサンをも魅了するパワー。あなどれません。四季を顕現させるシーンの美しさは圧倒的。これは映像で見たい。下巻へ進みます。2022/03/29

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