内容説明
少年剣士の清々しい友情と成長を描く、あさのあつこの新たな代表作。
“小舞(おまい)藩”シリーズ、第二弾!
第一弾「火群(ほむら)のごとく」から4年。
16歳になった林弥は無事に元服の儀を済ませ、名実ともに新里家にとっての当主となる。
義姉の七緒に密かな想いを募らせる林弥だが、真実を告げることはできず、
また理不尽な兄の死の真相も、いまだ掴めずにいた。
そんななか、江戸に出ていた透馬が、樫井家を継ぐために小舞藩へと戻ってくる。
ふたたび政争に巻き込まれようとする透馬は、家臣として林弥を重用することを決意するが……。
山河豊かな小舞藩を舞台に繰り広げられる、傑作青春時代小説。
解説・杉江松恋
※この電子書籍は2019年8月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たつや
11
火郡の如くの続編 うーん、 同じような物語、展開を読んだような。。 母も亡くなり 義姉も出家した。 これからが正念場かな? 「飛雲のごとく」からのフレーズです。 「死んだ者は何もできる」 ブログ:https://sunnext.exblog.jp/30357841/2023/07/15
Fumoh
10
ごとくシリーズの二作目。一作目では大きな衝撃と喪失があったと記憶していますが、強く育った少年たちが今作では元服へ。といっても相変わらず雰囲気はきな臭い。武家であることは、少年たちの自由な成長を許さない。さまざまなしがらみや、悲しみや、事件の影が彼らをとらえていくが、仲間たちとは時おり平和な時間も過ごす。みんな若いなりにいろいろ考えてますね。既存の価値観に対する疑問は、いつの時代も変わらないですね。2025/01/11
陽ちゃん
10
シリーズ2作目。前作を読んでから間が開いているので、あまり内容を覚えていなかったのですが、問題なく読めました。元服して大人の仲間入りをしたばかりの林弥ですが、藩のゴタゴタに巻き込まれて既に兄を殺され、友を藩の派閥争いで亡くし、自らも友を助けるためとはいえ人を斬り、と、少年にあるまじき経験をしていて、無理やり大人にされたような…。親友の透馬と和次郎と3人で力を合わせて明るい将来を開いていって欲しいものです。2023/06/21
蕭白
7
早く続きが読みたいです。2024/03/09
YH
4
一作目を読んでずいぶん経ってるからか、最初は風シリーズと混同しそうになったが、徐々に思い出した。透馬を初め、林弥や和次郎といった若い力が、武家が定めた古いしきたりや身分にどう抗い、小舞をどのように改革していくのか、楽しみである。でも、出家した七緒とは縁が切れてしまうのだろうか。2024/08/14