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内容説明
『呪術廻戦』芥見下々先生おすすめ! 21万部突破の『バッタを倒しにアフリカへ』の前日譚である名著(第4回いける本大賞を受賞)が新書で登場! 農作物を食い荒らすサバクトビバッタに関する研究成果に加え、若き研究者の苦悩と挫折と成長がユーモア溢れる文体で綴られる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆいまある
105
「バッタを倒しにアフリカへ」の前日譚。アフリカに行く前、前野青年は昆虫学者に憧れ、筑波でバッタの研究に勤しむ。毎日バッタに餌をやり、条件を変えて育てて採卵して卵のサイズを測って幼虫の大きさを測って成虫の大きさを測って解剖してデータを取って論文を書く。その繰り返し。様々な発見をしたり、他の研究チームと競ったり、濃い内容なのだが、本から得られる情報の9割ぐらいはサバクトビバッタに纏わることである。その情報が今の私に必要なのかと自らに問いたい。なかなか長い本である。研究は大変だということはよーく分かった。2022/07/27
NADIA
65
本来の研究発表の第一冊目。文章は面白いがさすがに研究内容の解説がガチすぎるので、巻頭でおススメされた「分かりそうなグラフだけ、ふむふむと読んで、ややこしそうなグラフと解説はすっ飛ばし、分かった気になる」という『快速・読み飛ばしコース』で挑んだよ。それでも十分以上、バッタの生態情報でお腹いっぱいになる。同じ人が書いたから面白い要素はもちろんあるけど、「バッタへの興味はさほど」と言う人はやっぱり『バッタを倒すぜ、アフリカで』の方が楽しめると思うね。2025/05/07
ニッポニア
63
これは面白い。学術とエッセイの軽さを兼ね備えた本。バッタの生態は興味深いし、学者としての異様さも楽しめる。以下メモ。数年に一度発生するバッタの大群、過ぎ去った後には緑はなにも残らない。その群れに緑の服を着て行って食べられたいという異常な学者。狭い空間で幼虫を飼育し、混み合い、ぶつかることで長距離移動が可能な体に変化する。バッタといるときだけ等身大の自分に戻れる。定説が崩壊。誰にでもできることを、誰にもできないくらいやろう。夜にまぎれて。2024/07/27
あやの
59
「バッタを倒しに~」に至るまでのバッタ研究をかなり専門的に書いているのがこの本。研究データを詳しく著しているので、私のような虫嫌いの方は片目つむって先を読み進めることをお勧めする。なぜそれなのに読んだのかというと、前野さんのバッタへの熱量と、面白すぎる文章にやられたから。分野がどうであっても、研究者という人々は、これと決めたモノをどこまでも追究することに喜びを感じるのだということが良く分かる。お金にならなくても、「研究できているからそれでいい」と言い切る。ホントに面白い人生だと思う。2022/11/05
さぜん
57
前作とは違い「グラフマシマシ、説明オオメ、文章カタメ」のコッテリ作品。快適読み飛ばしコースを選択しバッタに一ミリも興味がない私が読破した先に著者からお褒めの言葉が。理解度は浅いながら昆虫の生態の面白さや研究者への果てしない道程などとても興味深く拝読した。相変わらずユーモア溢れる文章は絶品。「非常識なことをやるためには常識をしっておかねばならない。不真面目なことをやるためには真面目を知っておかねばならない」と名言もあり。研究の面白さの真髄を教えてくれる。こんな面白い論文書けたら幸せだなあ。2022/08/20
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