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内容説明
自分の婚活よりバッタの婚活!? 日本、モーリタニア、モロッコ、アメリカ、フランス――世界中を飛び回り、13年にわたり重ねてきたフィールドワークと実験は、食糧危機の原因となるバッタの大発生を防ぐ可能性を持っていた! 現実を舞台にした異世界転生ストーリー、ついにリブート! 新書大賞受賞、25万部突破の『バッタを倒しにアフリカへ』刊行から7年。画期的な研究内容がベールを脱ぐ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
353
7月の第一作は、以前から気になっていた前野ウルド浩太郎 の新作です。バッタのコスプレから、さかなクンのような存在かと思いきや、ネイチャーに論文を投稿するような真っ当な(サバクトビ)バッタ博士でした。私史上最長新書本ながら、面白く一気読みでした。仮面ライダーもバッタをモチーフにしており、バッタは、最強の昆虫かも知れません。 https://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/97843341029062024/07/01
mae.dat
300
『バッタを倒しにアフリカへ』の続編。より深く前野ウルド浩太郎さんの研究人生に斬り込んで。先ずは科学ジャーナルPANS誌に論文掲載される迄のストーリーだと思いますが、そこに至るまでの人の繋がりの重要性ですね。モーリタニアは勿論の事、日本、アメリカ、フランス等各地での出会いがあり、それぞれの地での経験が技能と知識を底上げしますね。そして論文掲載後の活動。お金の還元の話も素敵です。でも矢張りと言うか、ドライバー兼相棒のティシャニですよ。強いエピソードが。特にプロジェクトTAXIの件は( ໊๑˃̶͈⌔˂̶͈)。2025/05/03
修一朗
216
前作のポスドク涙の就職活動日記から一転「サバクトビバッタの生殖行動」というマイナーかつ重要なテーマを真面目に論じた本だ。フィールドワークにこだわりバッタが大発生した年にしか観測ができない辛さ,コロナで往来を禁じられ研究がまとまるまで10年かかった,と研究者としてなかなかしんどい思いをしてきている。ハードルだらけの研究人生を乗り越える情熱と困ったら手を差し伸べてくれる人が現れるコミュ力が素晴らしい。苦戦した論文執筆日記も面白かった。前野さんにはサバクトビバッタの研究でモーリタニアの英雄になって欲しい。2024/07/28
みこ
201
農作物に被害を与えるサバクトビバッタの繁殖を研究する世界のバッタ博士であるウルド氏と重度の中二病患者である前野浩太郎氏による共著である。嘘です。同一人物です。でも、本当に同一人物か疑いたくなるほど遊び心のある文章と真面目な学術的な話の緩急が良く、新書で600頁という長尺が気にならないほど一気読みしてしまった。こんなに散々ふざけ倒したこと書いているのにラスト2章で感動させるなんてなんかズルいよ。2024/06/19
のっち♬
191
『バッタを倒しにアフリカへ』続編。サバクトビバッタ繁殖のメカニズム解明へ向けて、「集団別居仮説」を打ち立てた著者。あくまでフィールドワークに拘る彼はアメリカへ修行に行き、モロッコ、フランスで実験をし、日本で生態学を学び、と世界を飛び回る。今作はその分構成がごった煮状態で、合間に異文化交流や相棒ティジャニの逸話なども挟まれて時に紀行文的になる。研究者の視界をわかりやすく説明できているので、"メスだらけの集団"の発見や、論文が受け入れられた際の高揚感も伝わりやすい。伊達に卵母細胞と卵を8000個計っていない。2024/07/26