内容説明
醜い椅子職人は、椅子の中に潜んでいる。その椅子は、若く美しい夫人の住む立派な屋敷に納品された。革一枚を隔てて味わう女体の淫靡な感触に溺れる日々を送った男は、女を愛し始め、女との接触を試みる……
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
568
表題作のみ青空文庫にて。既読であったはずだが、うろ覚えだった内容とまったく違ったソレだった。不気味さはもちろんタイトル通り。官能度(エロ)を求めて読み進めるも、これはもう、手紙をもらった女流作家の迫り来るような恐怖にフォーカスすべき作品だなぁと。暑い夜に涼しくなりたい読者に向いたホラー…とは違う(笑)2024/07/24
青乃108号
226
8編収録の乱歩短編集。小学生の頃、「人間椅子」「鏡地獄」のみ既読。両作品共、強烈にイメージとしては脳に刻み込まれたまま幾星霜。数十年振りに読み返してみると、やあ、これほど緻密で偏執的に狂った様な小説だったのかと驚いた。電子書籍で読んだんだけど、紙の本と違って、どれだけ読み進んできて後どのぐらいで終わるのかさっぱり実感出来なくて、やっと終わった、と安心したらまだ一作残ってたりして、それがまた「押し絵と旅する男」で、初読で、これがまた偏執的な話で、本気で真面目な話、これら乱歩世界から早く逃げ出したくなった。2025/05/14
おしゃべりメガネ
194
初江戸川乱歩です。表題作は、それまで乱歩を読んでいない私でも知っている作品だったので、期待通りの内容でした。他に印象的だったのは『断崖』と『お勢登場』です。どちらも女性のコワさに驚愕してしまいました(>_<)。『二癈人』もネタはシンプルながら、飽きさせず読ませてくれました。今現在の視点で読むのではなく、今からおよそ90年近く前にデビューした作家さんが、当時こんなレベルの高い作品を書いたことに、最大級の敬意を表しながら読むべきなんでしょうね。2013/09/15
ちなぽむ and ぽむの助 @ 休止中
159
月の輝く夜何の音もしないふしぎね、こんな都会のビルの海起きているの私ひとりみたい。うきうき神聖な気持ち。向こうの私が幸せそうにわらうから月に帰れるような気がしたの、なんて気分はかぐや姫、明るく足を踏みだしたわ。結末は知っての通り目羅博士の笑いのタネ。 でも私、諦めなかった。鏡の卵に包まれて今度はアリスの世界、卵割れちゃっても死んでもいいから、なんて決意してるわけないでしょ、そんないじけた女じゃないのよ、ただ飛びたかっただけ。万華鏡のなか、連れてってほしいのよ消えてしまいたい、なんて言ってみたりして。2020/04/30
❁かな❁
140
お気に入りさんにお借りしました!ちゃんと江戸川乱歩さん読んだのは初めてです!傑作中の傑作を収録するベストセレクション第一弾。有名な「人間椅子」他8編入り。昔に書かれたと思えないくらい斬新で何とも言えない雰囲気の作品で一気読みでした!今の時代の人が読んでも楽しめます!普通ではない人が登場したりして気持ち悪くもありますが哀愁も漂う感じ。「人間椅子」は有名なので知っていましたがラストはちゃんと知らなかったので読めて良かったです!「人間椅子」「二廃人」の展開が面白かったです!大槻ケンヂさんの解説も良かったです♪2014/11/09
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