内容説明
酷暑のペテルブルグ。小さな部屋で鬱々と暮らす貧乏な学生のラスコーリニコフ。彼には、郷里の家族の期待がかかっていた。しかしある夕暮れ時、彼は高利貸しの老人を斧で叩き殺してしまい--。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
吉田あや
85
19世紀ロシアを代表する巨匠の五大長編の一角にして不朽の名作、一体どんな難関が…と若干構えるも、そんな心配は杞憂だと早々に気付く。いとわしい憂鬱なペテルブルグの街。美しい黒目に栗色の毛をした美男子である主人公ラスコーリニコフが抱えているのは、最早計画とも云える程に考え慣れてしまった醜悪な空想。一見陰鬱な文学作品に思えるが、見る者の多くが酔っぱらいだと判じる程大きな声で独り言をつぶやきながら歩く残念かつ危険な香り漂うラスコに始まり、捲れども捲れどもほぼどうかしている人しか登場しないキャラ渋滞。(⇒)2021/05/02
ゆいまある
71
「罪と罰を読んだ」と言ってみたいが為に読んだ。お金がなくて大学を辞めたラスコーリニコフは老女を殺害する。その理由は当初明かされない。美しい妹は兄の為に資産家と婚約する。ふとした事で知り合ったやはり貧しいアル中男が馬車に轢かれて死ぬ。ラスコーリニコフは娼婦をしているその娘ソーニャに有り金全部を渡してしまう。予審判事のポルフィーリー(刑事コロンボのモデルとも言われるキャラ)が出てくる辺りが上巻。思ったよりミステリぽい話なのかなと思いながら下巻に進みたいが、貧乏の辛さばかり出てきて苦しい。ちょっと休憩。【KU】2026/02/15
Shinobi Nao
21
『罪と罰を読まない』を読んだら俄然やる気が出て再挑戦。何しろ憶えにくい、故に挫折につながる長い人物名を、ラスコ、マメ父、修造、と『罪と罰を~』のみなさんがつけたあだ名を採用し、時に数頁にわたる長台詞で「この人誰だっけ?何を長々と語っているんだったっけ?」と見失いそうになっても深刻にならずとにかく前進して何とか読了。一カ月くらいかかってしまったけど、しをんさんが主人公を「イケメンだけどしょうもない奴」扱いしていたことが頭から離れず、悲劇というより喜劇を読んでいるように楽しく読みました。この調子で下巻へ!2016/05/24
miho
20
【2022-041】【図】社会人になったばかりの頃、同僚に文学女子がいて、その子に勧められて読んだときは、登場人物の呼び名が複雑過ぎて挫折しました。あれからだいぶ月日が経ち、重い腰を上げて再挑戦!当時購入し、そして手放したものがどこの出版社のものだったかは失念しましたが、今回はびっくりするほど読みやすい!呼び名はやっぱりちょっと戸惑いますが、それよりも先が気になる!(大方のあらすじは知ってはいても)この勢いで下巻へ…!2022/04/20
蛸
20
三人称で綴られる小説ながら、モノローグの多用や登場人物たちの長台詞が特徴的で非常に雄弁で多声的な小説という印象を受けた。登場人物たちの「声」と「声」のぶつかり合いは、完璧に共鳴することなく小説空間に反響する。このコミュニケーションの微妙なズレが個々の登場人物の輪郭を明確にしているように思われた。 ラスコーリニコフの犯行には(運命的と言えるほどに)偶然に偶然が重なっており、殺人が彼の自由意志に基づいたものではないかのような印象を与える。そのことがこの事件を運命的、神話的なものにしている。2021/11/11
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