内容説明
マフィアの息子レオと、銀行員の息子マルチェッロ。かけがえのない友情で結ばれた二人は数奇な運命によって翻弄されていく……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ナミのママ
60
銀行員の息子がギャングの息子と出会ったのは6歳。そこから始まる30年に渡るストーリー。帯のこれだけを見るとありふれた感じだけれどミステリーではない。そして舞台はイタリア。巻頭は少年2人を中心に進むが次第にその家族・父親の物語になっていく。慣れるまで少し読みにくかったのはその時代のイタリアの情勢がわからなかったかもしれない。大きな事件が起こるわけでなく淡々と流れていくのだが描写が丁寧に書かれている。作者は脚本家でもあるようだ。最後。ああ、ここに流れつくのか。2022/02/28
星落秋風五丈原
30
銀行員の息子とマフィアの一員の息子。前者は善良で後者はワル。正反対ながら親友になるが両者の親の行動が子供達にも影響を。SMに嵌って設定でカタカナで“シバリ”と出てくる。2023/01/17
シキモリ
25
ギャングの息子と銀行員の息子、全く異なる出自を持つ二人が歩んだ三十年間を描くイタリアの文学作品。帯の惹句にある通り、二人が育む友情物語かと思いきや、銀行員の父親が矢鱈と出過ぎるので、これは一体何ぞや…?と思いながら読み進めていくと、物語の後半で漸く合点がいく。父と息子の関係性も今作を彩る重要なファクターとなっている様だ。二人が辿る数奇な運命は、私的には何処かポール・オースターの小説を連想させる部分もあったりする。原題の「アメリカ人」だとタイトルの意図が伝わり難いので、この邦題が確かに一番分かり易いのかも。2022/02/27
スイ
10
うーん、リアリティをどの程度出そうとしているのか、距離を測りかねて上手く入り込めなかった。 戦後イタリアの流れをもっとわかっていたら、ぐっと楽しめたのかも。2022/03/20
読書熊
6
マフィアをめぐる物語がこれほどまでに美しい文章で綴られるのは驚きだ2022/04/13