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内容説明
初潮の訪れとともに出島から廓(くるわ)に戻されたたまを。
異国の少年の面影を心に残したまま、一人前の遊女になるための本格的な教育が始まる。
激動の時代の片隅で、無垢な季節は否応なく遠ざかり……
『ニュクスの角灯』で悲しい最期を迎えた「たまを」の少女時代を美しい季節の風物とともに描く傑作長編(全4巻)。
第24回手塚治虫文化賞「マンガ大賞」受賞作家・高浜寛の最新長編。
目次
第17話 雪解
第18話 春霞
第19話 遠い雷鳴
第20話 花の合間
第21話 羽化
第22話 黙示
第23話 目眩
第24話 新緑と金麦
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
チョビ
3
たまの少女期の終わり。島田さん家の謎。ヴィクトールの妹たちの品のなさの謎がとける。登場人物が大切な人を守ろうとしては挫折していく、そんな歳時記。そして「夢の国」のキャストになるたまはどこへいく?だって廓生まれのたまは丸山から出られないから…。2022/02/26
アルハ
0
ついに初潮を迎えたたまを。 引込新造として望んでいた教育を受けられる嬉しさ半分、姉女郎の代わりに酔客の相手を務め、道ゆく男達に女として品定めされている事を知り、認めたくなかった「女」としての運命といよいよ向き合わざるを得なくなる。匂い立つ様に美しく成熟していくたまをにもたらされるものが、必ずしも幸福だけではないのが運命の皮肉な所。そして常にたまをを明るく照らすりきやも、病魔という悪夢に取り憑かれようとしているという残酷さ。当事者たる彼女達は運命を恨む事なく粛々と生きているだけに、かえって哀切さが際立つ。2022/02/07