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内容説明
早逝する宿命を背負った長崎丸山遊郭の禿(かむろ)「たまを」の少女時代を四季折々の風物とともに描く高浜寛最新長編。
時は慶応から明治へ。いよいよ近づく新時代の足音は、外国人襲撃やキリスト教弾圧の激化など、長崎に不穏な空気をもたらす。
身体の急激な変化から自身に初潮が近いことを知ったたまをは、時代の激動の中である孤独な決意を迫られる。
大政奉還、龍馬暗殺、そして戊辰戦争へ。江戸・京都の戦火は遠く長崎にも及び、人々を思いもよらぬ場所へ連れ出していく…
★第24回手塚治虫文化賞「マンガ大賞」受賞作家・高浜寛、渾身の最新長編!
☆『ニュクスの角灯』『蝶のみちゆき』に連なる「長崎三部作」最終節
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
チョビ
3
(多分)ポリコレって何?を上手く幕末から明治にかけての出島と丸山のありようにぶつけた良書。さて、慶やお滝という大先輩がいながら、自分自身何者かがわからないモモとたまの思春期組の存在が、江戸時代の身分制度は非常に流動的でありながらも、それが叶えられない人もいるという対比は著者らしいよく練られた構図になっている。ただ相手を重んじた結果、悲しいことになるのはどんな身分、どんな民族でも同じである。って、宇宙人ジョーンズか、自分!2021/07/28
アルハ
2
穏やかに紡がれるたまをの日常と同時に描かれる岩次の苦悩。隠れ切支丹というバックグラウンドを誰にも明かす事が出来ず、信仰に殉ずる事を厭わぬ若き同胞を救うことすらままならない身をキリストを3度否認したペテロに重ね、自らを卑下する姿は酷く痛々しい。そしてたまをの宿命を知ったヴィクトールはたまをを運命から解放する事を望むが、いつまでも幼く見えたたまをの身体は急激に成長の時を迎える。2022/02/07
hryk
0
いろいろな人たちがいろいろな事情を抱えつつも誠実に生きようとしている姿に心打たれる。戒名で遊ぶの面白そう。2021/05/08