内容説明
ヴェトナム戦争終結から6年。親友と共にパリに難民として渡った元スパイの男は麻薬取引に身を染めていく。そんな中、かつて再教育キャンプで自分と親友を拷問した元義兄弟の男もパリにいることを知り――。戦争で離散した男たちの非情な運命が再び交錯する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヘラジカ
48
現代アメリカ文学の大傑作『シンパサイザー』待望の続編。まずあの作品が邦訳されてから四年以上も経っているという事実に慄く。ピューリッツァー賞のみならず、スパイ小説としてエドガー賞までも受賞した前作から一転、今作はギャング小説としての一面を持っている。しかし、今回もメインとなるのはポスト・コロニアリズムであり、引き裂かれたアイデンティティを巡る物語だ。ユーモアと機知に富んだ語り口に覆い隠された、生々しい二つ(あるいは多数)の自我による独白。前作を上回るとは言わないまでも凄まじい筆力を持つ傑作だった。2022/01/07
クァベギ
0
前作に続いて、濃密な読書経験ができた。パク・チャヌク監督によるドラマ作品が完成するのは、いつなのか、気になる(ドラマ化されるのはPatt Iだと思うが、いずれにせよ楽しみ)。2022/02/07
読書家さん#RIRmQv
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★★★2022/04/03
koteomoitsukan
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△+2022/02/09