内容説明
「男の考えていることはよくわからない」のか?
「感情の言語化」と「弱さの開示」の先にあるものとは?
劣等感、権力欲、マウンティング、ホモソーシャル、処女信仰、ED、DV etc.
見たくなかった自分と向き合った男たちの、切実な「自分語り」の記録。
どうして、男ってこうなのか、と思い続けた。
そんな私も男なので、思うだけじゃなく、
考えないといけないーー武田砂鉄(ライター)
ホモソ大国、ニッポン。
“何かを勝ち得たり他者に与える存在である”ことでしか、
自分自身を愛せないし、他者からも受け入れてもらえない。
そんな恐怖に縛られた男性たちが、
自分の弱さを許せるようになるための指南書
ーー辻愛沙子(クリエイティブディレクター)
男性たちの率直な語りには、怒りや悲しみ、加害者性や被害者性、競争意識や逃避癖、女性蔑視や男性嫌悪、プレッシャーや特権性、優しさや残酷さ、純粋さやしたたかさ、成熟や未熟、計算や衝動、上から目線や劣等感、反省や自己弁護、視野の狭さや懐の深さ、暴力性や愛情など……実に様々な要素が混在しており、表面がつるつるにコーティングされた「一般男性」という存在の内実が、実は複雑で混沌としたモザイク模様になっていたことがおぼろげながら見えたんじゃないかと思う。(本書より)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ルピナスさん
70
本書でいう「一般男性」は、メディア等に出る以外の男性のこと。私は、「男女の体力の差・物理的にできる事の差等から夫婦で役割分担し多様性を尊重しているが、今は女性に比べ男性の生きづらさは余り焦点を当てられていない気がする、自分は色々なプレッシャーの下で生きている」と言う夫の発言から、世の中の男性の声を知りたくて本書を手に取ったので、数人の語りには面喰らってしまった。不快感も否めない。だけど、多くの人はここまで内面を掘り下げ言語化する機会はないだろうという意味で、各男性の葛藤やプライドが興味深く唸る一冊だった。2022/09/12
のんぴ
38
#NetGalley.jp まーリアルですね。このご時世にどうしてマチズモに囚われてしまうのか。既得権益を手放したくない昭和のオッサンの名残りなのか。きょうびの女はためらいなくサッサと出ていき、愕然とすることになる。 なぜ自分の思い通りにすべてが運ぶと傲慢に考えられるのか。チヤホヤされて育った人、毒親に脅されて育った人、どこかで学ぶ機会はなかったのか。 すべてをなくして自分の愚かさを知り、修正し、やり直してほしい。2022/02/26
踊る猫
30
「男たちってバカだなあ」と男である私に思わせたという意味で優れた本だ。それこそ宮台真司が社会学を駆使して「まったり革命」を唱えたりしていた時代から「男たち」の生きづらさ(と、表裏一体を成す愛すべきおバカさ)は変わっていない。が、その処方箋として闇雲に「男らしさから降りる」ことを薦めるのも無責任ではないかと思っていた時に読んだのでなかなか刺激的だった。「彼ら」がラクになるきっかけとして、自分の行いや自分自身への「DV」や「発達障害」といったラベルがストンと腑に落ちたことが語られている。重要な視点かもしれない2022/03/23
akihiko810/アカウント移行中
27
「一般男性」10人がそれぞれの生きづらさを語る。印象度B- 期待して手に取ったのだが、大して面白くなかった。というか、そんなに興味ない話だった。 「売れないお笑い芸人」「EDなのにマッチングアプリを使う人」あたりはそれなりに興味持てたけど。 「男のプライド」から降りられない悲劇、というのは大なり小なりあると思った。とはいえ「そこから降りられないからお前は駄目なんだ」とか言うつもりはないし、私にもあるので言えないけど。2022/04/20
金城 雅大(きんじょう まさひろ)
27
うーん、やっぱりこの人の論調は女性に媚びへつらっているようにしか見えない。「男であることの優位性と暴力性を僕はちゃんと理解し、適切にコントロールしていますよ。だから僕には怒らないでね、女性の皆さん」的な。2021/12/21