内容説明
「貴殿のお命をいただきに参上した」トビヒと名乗る男は、炭焼き小屋で眠っていたゼンを戸外へ連れ出すと、面差しを確かめ、そう言った。
敵は多勢、ゼンは闇を駆けた。だが逃げた先は崖縁。そこで待ち受けていたのは、これまでに出会った誰よりも強い侍だった。命を賭けるに値する相手、ゼンは男に敗れ、谷底へと落下する。
姉弟に助けられ命は取り留めたが、ゼンは記憶と刀を失っていた。「ヴォイド・シェイパ」シリーズ完結編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ソラ
12
最初、単行本で読んだときはあまりピンとこなかったこのシリーズ、改めて読み返してみるととても味わい深いシリーズだなと思った。あらすじを辿るだけじゃなく思想的なところを感じるのもこのシリーズの面白いところかなと。2021/09/20
OIRA
4
そして、ついに、第5弾。予定の?シリーズ完結編。え~、これで「完結」ですか。さみしいです。強さ、足りないもの、欠けているもの…について、考えさせられました。ラストの二人も、表紙の桜も、きれいすぎて、なんだか、悲しいです。2021/10/23
みどり
4
先月買い忘れていたことに今さら気づき。 そして、思っていた通りの結末なのでそこまで感動はできなかった。 相変わらず、時代劇でさえ、森博嗣さまだな~、そして脳内言語が森文章に汚染されるな~と。2021/10/17
yuutom
2
記憶を失ったことで得たものがある。確かに記憶を失う前のゼンでは、無我の境地まで達することはできなかったかもしれない。カシュウが言っていた、なにも考えないということが繋がってきて面白かった。ゼンには自由に生きてほしいと思った。2021/10/07
ACK0623
1
読み始めてすぐに巻を飛ばして読んでないことを確かめた。たしかに続巻らしい。なんか記憶喪失になったような気分と思って読み進めると主人公が記憶喪失になった。主人公は、今、そう言う気持ちなんだよと読者に伝えるために、こう言う書き方をしたとしたら森博嗣という著者はすごい。というのは深読みしすぎかなぁ? このシリーズもコレが最終巻(だよね?)。全体を通してなかなか面白いシリーズでした。2022/12/03