内容説明
いじめ、ゴミ屋敷、認知症……理不尽だらけの現代社会、警察内部の無益な対立を抉り、嘘偽りのない人間ドラマを描く珠玉の警察小説!
結城公一は入庁以来、刑事として第一線で活躍する夢を叶えようと仕事漬けの日々を送った。だが、熱意を刑事課に疎まれ、所轄の交通課と地域課を行き来する羽目に。
四十歳でようやく生活安全部、生活安全特別捜査隊班長に任命されるが、そこもダフ屋と風俗関係の取り締まりしか能がないと揶揄される部隊。
それでも結城は癖のある部下たちと、地道に現場に向かうが……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おいしゃん
30
各キャラの個性が際立ち、と解説で評されるほどのインパクトはなく、面白いのはいちいち事件の度に一句詠む部下くらい。 ただ警察小説においては、あまりキャラを盛ると興醒めしてしまうし難しいところ。内容は、ゴミ屋敷や学生のいじめ、偽札などあまり取り上げられない切り口から事件がはじまるところが良かった。2022/01/15
Yunemo
16
撃てない警官シリーズの前に上梓された作品、それで何となくの納得感。確かに、刑事として第一線での活躍を 夢見た結城が辿る、ある意味ジレンマを抱えながらの警察官人生。ここで屈折しないのが人間味として表現されてます。刑事とは違った見立てで地道に現場に向かう姿には共鳴するところも多く。ただ、5編の作品がどこか尻切れのまま終えていて、読み手としては、じゃあ最後の決着は、との爽快感が欲しいところ。人はみな、他人に触れられたくない聖域を抱え、その部分に気付かれぬようこっそりと入り込むことが任務、この意味は深いですよね。2022/02/12
たぬき君
2
刑事を志しながら生活安全特捜隊の班長をする結城公一の奮闘する5編の短編物語。刑事課の面々に屈折した思いを抱きながら職務を全うする姿が熱いです。尻切れトンボの終わり方がやや不満です。2021/08/21
ニゴカズキ
0
★★★⭐︎2021/09/18