内容説明
学校図書館への期待はますます高まっている。学習指導要領が改訂・実施されて、学校司書を学校図書館に配置するために学校図書館法も改正された。
多様化するメディア環境で、学校図書館に求められる役割とは何か──。国際化・情報化を視野に入れた情報サービスと学習支援の機関である学校図書館の役割に焦点を当てて、学校図書館を授業でどのように活用していけばいいのかを具体的に提示する。
実際の授業ライブの要素も織り込んで、読者にとってわかりやすく、また楽しく読めて学べるように工夫をこらしてある。重要な用語には解説をつけ、関係図や構成図など視覚的にも充実させたテキスト。
目次
はじめに 大平睦美
第1章 変化する社会での教育活動の発展と学校図書館 大平睦美
1 学校教育と学校図書館
1-1 教科書と学習指導要領
1-2 授業で活用できる学校図書館へ
1-3 21世紀に生きる子どもたちに求められる力
1-4 学習指導と学校図書館
1-5 課題と展望
第2章 教科学習と学校図書館 田上恭史
1 学習指導要領と学校図書館総則の変遷
1-1 1958年改訂
1-2 1968年改訂
1-3 1977年改訂
1-4 1989年改訂
1-5 1998・99年改訂
1-6 2008・09年改訂
1-7 2018年改訂
2 学校図書館を計画的に利用しその機能の活用を図る
2-1 学校図書館全体計画などの図書館運営計画
2-2 全体計画と司書教諭の役割
3 学校図書館での教科指導
3-1 学校図書館の計画的な利用
3-2 児童・生徒の読書実態
3-3 教科指導で学校図書館を活用
3-4 学校図書館活用のスタート
4 中学校の授業実践から
5 新たな教育課題・教科学習と学校図書館
第3章 京都市が進める学校図書館改革――教育行政の視点から 戸塚恵美子
1 時代
2 学校図書館に吹きだした新たな風
2-1 蔵書管理の電算化
2-2 居心地がよく機能的な学校図書館への大改造
2-3 司書教諭の法制化
3 大きな転換期――学校司書の配置
3-1 学校図書館運営支援員(現学校司書)の配置
3-2 学校司書を担当する教育委員会の体制
3-3 学校指導課学校図書館専門主事による学校訪問
3-4 学校司書をめぐる成果と課題
4 学校図書館の深化
4-1 研究の推進
4-2 「読書ノート」「学校図書館活用ノート」「学校図書館運営の手引」の作成
5 図書館教育(読書推進・授業活用)に関わる教育委員会の組織と役割
5-1 指導部学校指導課
5-2 総務部学校事務支援室
5-3 総合教育センター指導室
5-4 総合教育センター研究課
5-5 指導部総合育成支援課
5-6 生涯学習部家庭地域教育担当
6 近年の京都市立小・中学校・義務教育の現況
第4章 教科指導と学校図書館活用 槇川 亨
1 学びを支える学校図書館
1-1 学校教育で身につけさせる学力の3要素
1-2 教育課程と学習指導要領
1-3 言語活動の充実
1-4 言語活動の充実が求められた背景
1-5 学習指導要領における言語活動の充実
1-6 言語活動の充実のために必要な学習の技能
1-7 学習の技能を体系的に指導する
1-8 言語活動を支える学校図書館活用教育
1-9 「主体的・対話的で深い学び」と言語活動
1-10 学校図書館で展開する探究的な学習
2 学校図書館を活用した授業をイメージする
2-1 ワークショップの概要
2-2 ワークショップの準備
2-3 ワークショップの流れ
2-4 「立体リーフレット」を通して目指す学習指導とつけたい力
第5章 学校図書館と合理的配慮 野口武悟
1 特別な支援を必要とする児童・生徒の増加
1-1 障害がある児童・生徒
1-2 日本語能力に応じた支援を必要とする児童・生徒
2 ノーマライゼーションの潮流
2-1 ノーマライゼーションとインクルーシブ教育
ほか