内容説明
これは、彼女が彼女になる前の話--。
激動の生徒会選挙は、だれも予想しない結末で幕を閉じた。
「こんなはずじゃなかった」耕平は混乱し、後悔し、それでもみなの想いが、成し遂げたい理想があるから、次の策を必死に考える。だが彼の前に、“メインヒロイン”が姿をあらわす。
「こんな現実でも――認めるしか、ないんだよ」彼女の口から語られるのは、かつてあった、そしてこれから起こるであろう“現実”の話。――清里芽衣という一人の少女の、過去と現在の話。
『実現するラブコメ』は、現実の大きな壁に阻まれる。
※「ガ報」付き!
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
オセロ
49
芽衣が何故“普通”に拘るのか、そのルーツに迫る今巻。 基本的には想像通りの内容でしたが、いざ読んでみるとやはり辛いですね。それもうまくいってたものが、人の悪意に歪められたと思うと胸が締め付けられる思いでした。 ただ、芽衣も耕平も周りに自分の理想を押し付ける形になっているのは同じですが、芽衣は“他人の為”に動いているのに対して、耕平がしていることは“自分の為”なので、個人的には“似て非なるもの”と思ったのですが、その辺りはどうなんでしょうね。何にせよ突き付けられた現実に耕平がどう立ち向かうのか楽しみです。2021/09/19
よっち
41
誰もが予想しない結末で幕を閉じた激動の生徒会選挙。混乱して後悔し、それでも成し遂げたい理想があるから次の策を必死に考える耕平は。だが彼の前に、メインヒロインが姿を現す第四弾。芽衣の口から語られる中学時代の痛恨のエピソード。そこから明らかになってくる清里芽衣を形作った過去と決意。今回は彼女の過去エピ回で思ってもみなかった重い現実を耕平に突きつけましたけど、だからこそここから耕平が立ち直れるのか、彩乃はどうするのか、そして塩野先輩や生徒会選挙はどうなるのか、いろいろと苦しい状況ですけど乗り越えてほしいですね。2021/09/16
わゆ
37
本作の「メインヒロイン」・芽衣が、恐ろしいまでに“普通”の現実を実現しようとする、その過去が詳らかに描かれる。それは主人公の現在ともリンクするような内容で、彼女の過去が主人公の未来なのかと錯覚してしまう。最初から不穏度MAXな状態で芽衣の中学3年生の夏休み、文化祭が描かれる。いわゆる本作のラスボス誕生までの話となるわけで、当然読んでいて胸が痛むような、目を覆いたくなるような感覚に襲われた。しかしながら読み終えた後は、彼女が彼女たる理由が、主人公の前に立ち塞がる理由が、非常に腑に落ちた。非常に面白かった。2022/06/05
ツバサ
27
耕平の策略が綺麗にハマったと見せて、最後にひっくり返された現実の無常さ。前巻で裏で糸を引いていた清里さんの過去が明らかに。まさか1冊丸々使うとは思ってなかったが、現実は突き抜けて優秀な人に厳しいというのがよく伝わってきた。清里は耕平と同じ道を前に経験していたのか。絶望に満ちた展開だが、耕平はどう動くのか次巻に期待。ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/09/20/2100002021/09/20
ぶなぶな
25
生徒会長の不信任という異例の結果に動揺する耕平の前に現れた芽衣が、自らの過去を、"理想"を追い求めた先に待つ"現実"を語り明かす第4巻。ラブコメどっかいった。何もかもを失った結末が重すぎる。みんなで笑う理想を叶えるためにはみんなが頑張らなければならない。考えてみればそれはそうかもだけど、正直突き付けられてから実感した。芽衣のかつての理想とその成れの果てに自身の根幹を揺さぶられる耕平。見たことも無い有り様の耕平から計画の中止を言い渡される彩乃。この先どうなるのか全く分からない。早く続きが読みたくて堪らない。2021/09/20