内容説明
童謡を歌いながら、アイツがやって来る!ネット上に実名を晒された悪辣なレイプ犯や鬼畜なキャバ嬢が、次々に処刑されていく――。掲示板に犯行声明を出す「森のくまさん」を名乗るシリアル・キラーの正体は!?第9回『このミステリーがすごい!』大賞最終候補作に、全面的に手を入れて生まれ変わった、編集部推薦の「隠し玉」です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ehirano1
415
読んだ・・・というのが感想というところですが、「嫉妬と自己愛(佐藤優)」で“小説はその時代の反映”という事が言及されていたことを思い出し、“森のくまさん”は当にSNS時代が生み出した1つの怪物だったのではないかと思いました(これは“森のくまさん”自身も述べています)。つまり本書はSNSの現代はこのような怪物を生み出す十分な余地があるという一種の警告でもあるのではないかと思いました。2017/09/09
ちょこまーぶる
371
本のタイトルとは裏腹にドキドキした状態で読み進めた一冊でした。確かに、犯罪者に対して世直しの意味で命を奪う事で懲罰を下し、その行為自体を正当化すると言うのは、現代版「必殺仕置人」のように思えるが、今の時代に実際に現れてみると狂気の沙汰としか思えない。そして、この森のくまさんは自分の欲望の方棒をいじめを受けていた女子高生に担がせると言う卑劣な道連れは頂けない。読み終えて、つくづく現代社会型の犯罪モデルかもしれないと思えた。それにしても、SK化粧品の社長が処刑対象で無いのに、登場させる意味があるのかとあるの?2014/06/24
ソルティ
326
読みやすくておもしろかったが途中で展開が読めた。悪いやつを成敗するヒーロー、なんて言ってるけど所詮は殺人犯でお前が一番悪いやつ、って感じだった。その悪さに影響されて手を貸した女子高生達も悪くなっていくし結構救いがない悪いやつばっか。世の中こんな人ばっかじゃ誰も信用できないよ、悲しい。名前のトリックは鮮やかに騙された!「「努力もしないくせに、自分を大きく見せようなんて滑稽だわ」」「「よく分かってるじゃないか。僕はね、選ばれた人間なんだよ。正義に基づいて人を裁くことが許された人間、つまり神に近い存在なんだ」」2019/06/03
nobby
324
タイトルに惹かれて。薄い『デスノート』と軽めの『悪の教典』なテイストで一気に読みました。森のくまさんが誰なのかは分かったけど、何故『森のくまさん』だったのか、アナグラムな導きにはなるほど!アメリカ民謡の訳にもう少し謎があるのかと思いきや、そうでもなく…終わり方不気味でしたが、続きあるのかなぁ。2013/02/14
た〜
312
なかなか良い感じにエグい。森のくまさんの正体についてはいささかわかりやすすぎる気もするが、それは細事でしょう。ところで結局SK事件と本編との繋がりが最後まで見えないんですけど2015/06/24