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内容説明
ルーズベルト外交の失敗が、日本に戦争を決断させた。
2009年に発表された米陸軍のオフィシャル・レポートに詳細な解説を付し、真珠湾攻撃に帰着した日米外交の真実に迫る。
新視点による瞠目の「太平洋戦争開戦史」。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Isamash
26
ジェフリー・レコード(ハドソン研究所シニア研究員)2009年発表レポート訳出。訳・解説は渡辺惣樹(日本近現代史研究家)。絶対に勝てない米国に戦争仕掛けた日本は狂ってるで終わらせなく、日本との戦争準備もできていないのにルーズベルト政権が日本を戦争せざるを得ない状況に追い込んだ側面も有ること指摘。日本の決定が運命論に引っ張られ米国民の嫌戦感に根拠なく期待し中長期の戦略が全く無かったことも指摘。米国領を避けて資源有する英蘭だけに戦争仕掛ける戦略もあり得たと言及。なお独が米国に宣戦布告しない決断もあり得たらしい。2022/07/29
ケニオミ
16
日本がなぜ対米戦争に突入したのかは、僕にとって、ここ四半世紀の解明すべき疑問であり続けています。これまで随分色々な関連本を読んできましたが、本書は示唆に富む良書でした。ローズベルト大統領が犯した次の二つの欺瞞は非常に大きい。①日本に戦争の決断をさせかねない最終通告(ハル・ノート)を、開戦の権限を有する米国議会に知らせることなく、日本に送り付けた。②対日宣戦布告演説には嘘や隠し事があり、議会は大統領の口車に乗せられた。経済制裁は戦争行為に等しいと謳う本書から、北朝鮮も日本が通った道を歩むのではと心配です。2017/07/11
ネコ虎
11
著者は米陸軍研究者だからルーズベルトを直接批判できないが、必ずしも正統派に組みせず、単に日本を真珠湾攻撃を愚行とのみせずルーズベルトの外交姿勢には批判的でバランスが取れた分析となっている。この本の良さはレコード論文より訳者渡辺惣樹氏の100頁にもわたる解説だ。修正史観の著作を丹念に追いながら、ルーズベルト政権の悪意の存在を詰めていく。市井の歴史家でありながら冷静かつ緻密な論じ方は大いに信頼感を覚えさせてくれて納得度大なるものがある。修正史観の立場のものをもっと勉強したい。渡辺惣樹氏の著作をもっと読みたい。2017/02/19
田山河雄
6
本書の原著である「米国陸軍戦略研究所レポート」が出版されたのは2009年(本翻訳2013年)、あの「裏切られた自由」は2011年(同2017)である。「米国…レポート」は政府関係機関であるからこそ正統派に準じているが、修正主義的論旨をソコカシコに加えているのが分かる。ルーズベルトの外交が褒められたものでない事(共産圏の拡散を促した)は誰の目にも明らかだからだ。戦後における中東の一部を除く多くの紛争が対共産圏との衝突であり、米国には自業自得の苦しみとなっている。ソ連は倒したが最強の中共が残っている2021/11/11
カナッパ、ユイッパ
4
良書です。 米国陸軍戦略研究所レポートとその解説です。 米国は太平洋戦争を冷静に分析し、失敗の原因を分析し、改善点も見い出しています。そして、最後まで勇敢に戦った日本を讃えてもいます。 方や日本では、蔓延る「自虐史観」とそれに対するルーズベルト大統領の陰謀の対立で議論が止まっています。米国は勇敢さを讃えてくれているのです。 もう卑屈になったり、相手の陰謀を論う必よは無いのです。 子孫のためにも、正しく分析し改善点を見い出す時期になっていると思います。そのための知恵を授けてくれる良書です。2017/12/05