目次
一九七〇年代生まれの歌人たち(大松達知;仲澤系;松村正直 ほか)
一九八〇年代生まれの歌人たち(石川美南;岡野大嗣;花山周子 ほか)
一九九〇年代生まれの歌人たち(井上法子;小原奈実)
著者等紹介
山田航[ヤマダワタル]
歌人。1983年生まれ。札幌に育つ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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コットン
62
歌人の山田航による現代短歌アンソロジーでコラムがイカシテル!例えば『現代の歌人はどんな短歌に影響を受けてきたの?』というコラムでは(お笑いの人達に例え穂村弘はダウンタウン,加藤治郎は島田紳助,俵万智はとんねるずに少し似ている。百年後も残っている歌人は穂村弘と俵万智。その他:東直子、枡野浩一、吉川宏志に言及。)気に入った歌は「捨ててきた左の腕が地を這って雨の夜ドアをノックする話」石川美南「レシートの端っこかじる音だけでオーケストラを作る計画」笹井宏之「B型の不足を叫ぶ青年が血の入れ物として僕を見る」木下龍也2017/05/05
けんとまん1007
60
短歌の世界は、自分にとっては少しだけ遠い世界。俳句や川柳のほうが、いくぶん近いと思っている。それでも‥と思い、図書館で借りてみた。すでに、読んだことのある歌人もいて、まあ、読んでみて、いくぶん身近になった。それぞれの歌人の空気感の違いが、新鮮で、ここから何人かの歌人の世界に広がりそうだ。2020/11/06
愛玉子
47
笹井宏之さんの歌集は持っているので、それ以外の方で好きだなぁと思った作品をいくつか。あかねさすGoogle Earthに一切の夜なき世界を巡りて飽かず(光森裕樹)あの子は僕がロングドライブを決めたとき 必ず見てない 誓ってもいい(しんくわ)眠る犬のしづかな夢を横切りて世界を覆ふ翼の話(石川美南)もういやだ死にたい そしてほとぼりが冷めたあたりで生き返りたい(岡野大嗣)月を見つけて月いいよねと君が言う ぼくはこっちだからじゃあまたね(永井祐)本屋っていつも静かに消えるよね死期を悟った猫みたいにさ(木下龍也)2024/01/20
風眠
45
「あのふゆに あのひととみた あの花は きれいだったな 甘やかされて」(今橋愛)この一句が目に飛び込んできた時「これは私だ」って、涙が止まらなかった。季節外れの雪が降った3月の終わりのあの日の夜、あの人と見上げたのは、まんまるの月。墨を流したように黒い雲が尾を引いて、夜空に大きな月が輝いていた。このまま時が止まればいいのにと、どうにもできないことを願っていた。甘やかされていた日々、あの日の私たち。こんなにも短い言葉の羅列なのに、あの時にすいっと心が戻されてしまう。短歌は甘い夢を連れてくる。三十一文字の夢。2017/05/10
Y
40
現代短歌のいいところだけをつまみ食いできる。この本で初めて知った歌人が沢山いた。穂村弘で短歌の魅力を知ったもののそこから先に進めずにいる私のような短歌初心者の人にはぴったりだと思う。こんなに若い年代の人まで幅広く短歌を詠んでる人がいるんだなあという驚きと、千年以上前からずっと同じ形式で短歌が詠まれていることへの衝撃が今更ながら二重に襲ってきた。大松達知、中澤系、堂園昌彦、大森静佳、石川美南、澤村斉美が好き。って、かなりいっぱい!筆者のコラムも現代短歌の様子がわかってとても良かった。2018/06/13