内容説明
日本橋の米問屋・島田屋が夜盗に襲われ、二千三百両の大金が奪われた。八丁堀の鬼と恐れられる隠密周り同心・長月隼人は、奉行より密命を受け、この夜盗の探索に乗り出した。手がかりは、一家を斬殺した太刀筋のみで、探索は困難を極めた。そんな中、隼人は内与力の榎本より、旗本の綾部治左衛門の周辺を洗うよう協力を求められる。だが、その直後、隼人に謎の剣の遣い手が襲いかかった――。著者渾身の書き下ろし時代長篇。（解説・細谷正充）
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
深青
17
火盗改シリーズの続きがなかったので、こちらにも手を伸ばしてみた。話の筋やサクッと読めて、主人公がまた格好いい所は似ていますが、こちらの方がダークヒーローっぽいかなと。隼人殿が「八丁堀の鬼」と呼ばれているくらいだから、剣も取り調べも苛烈。他のシリーズとどう差をつけていくのか。どう進むのか。楽しみです。2015/12/02
Dai（ダイ）
15
物語りも面白く、チャンバラシーンも迫力あった。しかし、惜しいかな主人公を初め登場人物の魅力が薄く、この世界に入り込むことが最後まで出来なかった。2013/06/10
mahiro
9
この作者は初読み。役目を遂行するためなら人を斬り捨てる事も躊躇しない南町の隠密廻り同心長月隼人が事件を追う痛快時代劇・・だがあまり入り込めない、文体も人物描写も軽いというか主人公に魅力を感じなかった。謎解きもあり秘剣で襲い来る強敵との闘いや婀娜っぽい美女との濡れ場ありなのだが主人公の個性と言うか存在感がいまいちインパクト薄いと言うか・・私の好みの問題かも知れないが、シリーズは続けて読まなくてもいいかな。2018/05/21
としえ
3
隠密廻り同心・長月隼人は、米問屋に押し入った夜盗の探索を秘密裏に命じられた。そんな中、内与力からある旗本を調べる手助けを頼まれるが、その直後謎の武士に襲われ、内与力も斬られてしまう。夜盗、旗本、襲ってきた武士らの関係は―。直心影流の遣い手で、立ち向かってくる科人（とがにん）に情け容赦ないことから八丁堀の鬼とも呼ばれる隼人だが、あまり魅力を感じなかったのは何でだろう・・。シリーズを追っていけば変わってくるかもしれないが、なんとなく人物像が掴みきれなかった。それでも、剣の遣い手の武士と対峙する場面は良かった。2015/01/07
どかどかどか
1
みをつくしシリーズから時代小説に入った者にとって、このちゃんばらシーンの描写は若干グロく感じられてしまうが、慣れればそうでもないんだろうな。なかなかおもしろかった。楽しめた。続きを読もう。2013/08/03
