内容説明
張学良の帰還。
満洲国建国――祖国を失った将軍の決意とは。
政争に敗れ欧州に渡った張学良。亡命なのか帰国するのか、世界が注目する中、馬占山が、吉田茂が張学良の前に現れる。一方、満洲国の執政として、皇帝に即位する日を待ち望む溥儀の心のよりどころは、「魔法使い」甘粕正彦と、清朝の遺臣、梁文秀だった。龍玉なき満洲で、夢を掴む者は誰なのか。
1933年ヨーロッパ。
ムッソリーニ、イギリス首相などと会見した張学良は、
フィアット戦闘機一個編隊を土産として中国への帰途につく。
日本で殺人の罪に問われた甘粕正彦は満洲で復権、
映画スターオーディションには、馬賊にあこがれた日本の少年の姿があった。
シリーズ累計590万部、「蒼穹の昴」シリーズ第五部。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あきぽん
73
溥儀、張学良、日本人家出少年などいろいろな人の複眼的視点からとらえた1933年満州情勢。川島芳子やココシャネルなど時代を彩る強い女も登場。歴史が古く国の大きい中国の近代化は、それはそれは長くて大変なものです。習近平国家主席は果たして今龍玉を掴んでいるのでしょうか?2021/11/26
Die-Go
53
図書館本。太太があの方とは!日本と満州勢力が入り乱れて混乱を巻き起こす。謀略と暴力とがそれをますます助長する。★★★★☆2023/01/06
yamatoshiuruhashi
52
お話としてよく構成されている。史実をベースに作り上げたフィクション。というか、フィクションの時代背景が史実であり、ファンタジーではないということだが、どうもここまでくるとお話がファンタジーのように見えてくる。満州国の意義、日本軍部の暴走などについてさほど違和感はないが、張学良がそれほどの深い大人物だったのか。袁世凱だけが軍閥の悪者のように設定されているが張作霖とどれほどの違いがあったのか。毛沢東がほんの少し名前が出てきて本連作の中で頭出しをしているが、今後どう描かれるか興味あり。2021/06/29
Book Lover Mr.Garakuta
28
歴史に明るく無いので、この手の小説は、歴史探求に大いによく、又読み物としても、面白いですね。世界抗争の果てにあるものは、栄光か、没落か。中国を中心に物語は最終巻へと突入する。2021/06/18
Fumoh
19
日本軍に支配された満州国を前にして、張学良や溥儀は何を思ったのか、重い無力感や憤り、叶わぬと分かっている希望を胸に抱いていたのか……こんなところを著者は書きたかったのかもしれないですね。また様々な歴史的な人物と、オリジナルキャラクターが交錯する様子も、おそらく著者の趣味というか、絶対に書きたかったことなのかもしれないですね。わたしはどこまでがフィクションなのか分からないんですが、歴史上の人物はしっかりと研究されているし、本当にこんなことを言ってたのかもな……と思わせるリアルさには、やっぱり感心します。2024/08/01
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