内容説明
静寂に包まれた“氷の城”で巻き起こる殺戮。
“鏡の魔女”テレサリサと共にレーヴェを脱出したロロは、魔力の影響で眠り続けるデリリウムを連れてキャンパスフェローへと戻ってくる。だが、王国アメリアによって陥落された故郷は、流血と破壊に蹂躙され見る影もなかった……。
ロロとテレサリサは城下町に作られた隠れ処にて、城から逃げ延びた者たちと合流する。領主バド・グレースの留守を預かる宰相ブラッセリ―と、<鉄火の騎士団>の副団長であり、ハートランドの妻であるヴィクトリアをはじめとする九十二名の者たち。
彼らは隠れ処を捨て、<北の国>へ向かうことを決断する。そこには、バドが生前に同盟を結んだ雪王ホーリオが治める<入り江の集落ギオ>がある。きっと助けになってくれるはずとの目算からだった。そして、ロロには<北の国>へ行くもうひとつの目的があった。それは、氷の城に住むという“雪の魔女”を味方につけること――。
その頃、王国アメリアの王都にあるルーシー教の総本山“ティンクル大聖堂”には、魔術師の最高位を冠する九人の者――“九使徒”が集められていた。
衝撃的な展開で刊行と同時に大きな話題を呼んだ本格ダークファンタジー『魔女と猟犬』。その待望の続刊がついに登場。
(底本 2021年6月発行作品)
※「ガ報」付き!
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
49
鏡の魔女テレサリサ、魔力の影響で眠り続けるデリリウムを連れてレーヴェを脱出したロロ。キャンパスフェローが王国アメリアによって陥落されたことを知った彼らが、北の国へ向かうことを決断する第二弾。城から逃げ延びた者たちと合流し、北の国へ向かったロロたちを試す雪王ホーリオ、そして氷の城に住む雪の魔女討伐。ルーシー教の恐ろしい使徒も乱入して二転三転する展開はカオスで厳しい状況の連続でしたけど、魔女の心を掴むキーマンとなりつつあるロロはどうなるのか、そして魔女たちの関係も新展開に向かう中で気になるところではあります。2021/06/18
ゆなほし
35
シリーズ2作目。今巻で登場する“雪の魔女”、その美しく強い眼差しに引き込まれる素晴らしい表紙もさることながら、内容に関しても1巻よりさらに読み応えがたっぷりである。魔女がいかにして魔女となったか、ひとつの命の物語を紡ぐ筆力はもちろん、緊迫と迫力の戦闘シーンや、たくさんいる登場人物の書き分けまで全て上手い。これぞ心躍るファンタジーライトノベルの正しい在り方だ、と全力で揺さぶってくる熱い展開が最高だ。次なる魔女は一体どんな物語を秘めているのか、期待せずにはいられない。2021/08/19
オセロ
34
バドの遺志を受けて鏡の魔女テレサリリを味方にしたロロの次なる目的は北の国にいる雪の魔女を仲間にすること。雪の魔女がいる氷の城では雪の魔女ことファンネルを味方にしようとするロロ達、北の国の住民のヴァーシアの民、そしてアメリアの魔術士の九使徒の召喚士のそれぞれの思惑が入り乱れる手に汗握る激戦は読み応えがありましたね。なんとかファンネルを仲間にすることに成功したものの、今国の犠牲は予想外過ぎて今後の展開が不安でもあり楽しみです。2021/06/21
星野流人
30
めちゃくちゃおもしろいダークファンタジー。魔法を操る敵が反則級に強くて、こんなんどうやって倒すんだよと心が折れるほどの圧倒的絶望感。1巻は全編絶望が支配していましたが、今巻はようやく状況を打開していく光が見えた感じです。キャンパスフェローの魔女集めのふたり目は、雪の孤城にたったひとりでいる雪の魔女。今回も交渉が難航する……どころかまたしてもいきなり大ピンチの戦場に放り出されてしまうわけですが。色々文句を言いつつも、カヌレのために戦ってくれるテレサリサがかわいかったです。3巻への物語の繋げ方が抜群にうまい2024/05/08
げんごろう
25
舞台を北の国へ移しての第二弾。 新たな魔女や九使徒との邂逅。そして彼女達との激しいバトルの連続。今巻も手に汗握る緊張感を味わう事が出来ました。あそこに混ざって戦うロロは普通に凄いですね。また巻末のSSを見てホッとした人は自分だけではないはず。次巻も楽しみです! 2021/07/01