内容説明
使命は、厄災の魔女たちを味方につけること。
農園と鍛冶で栄える小国キャンパスフェロー。そこに暮らす人々は貧しくとも心豊かに暮らしていた。だが、その小国に侵略の戦火が迫りつつあった。闘争と魔法の王国アメリアは、女王アメリアの指揮のもと、多くの魔術師を独占し超常の力をもって領土を拡大し続けていたのだ。
このままではキャンパスフェローは滅びてしまう。そこで領主のバド・グレースは起死回生の奇策に出る。それは、大陸全土に散らばる凶悪な魔女たちを集め、王国アメリアに対抗するというものだった――。
時を同じくして、キャンパスフェローの隣国である騎士の国レーヴェにて“鏡の魔女”が拘束されたとの報せが入る。レーヴェの王を誘惑し、王妃の座に就こうとしていた魔女が婚礼の日にその正体を暴かれ、参列者たちを虐殺したのだという。
領主のバドは “鏡の魔女”の身柄を譲り受けるべく、従者たちを引き連れてレーヴェへと旅立つ。その一行の中に、ロロはいた。通称“黒犬”と呼ばれる彼は、ありとあらゆる殺しの技術を叩き込まれ、キャンパスフェローの暗殺者として育てられた少年だった……。
まだ誰も見たことのない、壮大かつ凶悪なダークファンタジーがその幕を開ける。
※「ガ報」付き!
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
51
魔術師を多数擁する王国アメリアに脅かされる小国キャンパスフェロー。領主バドは王国に対抗すべく大陸全土の凶悪な魔女たちを集める起死回生の奇策に出るダークファンタジー。隣国にて惨劇を引き起こした魔女を引き受けるべく、レーヴェに向かったバド一行。彼や娘の護衛として同行した黒犬と呼ばれる少年・ロロたちが巻き込まれるレーヴェの謀略や、アメリアの魔術師たちとの激突もあって、未だ先の見えない混沌とした状況で魔女集めはどうなるのか、今回生まれたいくつもの因縁がこれからどう活きてくるのか、いろいろ楽しみな新シリーズですね。2020/10/20
まるぼろ
44
魔術師を用い領土拡大を続ける王国アメリアの脅威に対抗すべく魔女の力を借りようと考えたキャンパスフェローの国王バドは騎士の国レーヴェに囚われている「鏡の魔女」を仲間に入れようと…という所から始まるお話です。王道でかつ登場人物達の名前故か何処か童話を読んでいる様にも感じられてとても面白かったです。今巻は全体の導入部の様な位置づけのお話でしたが、バドやハートランドを失い、キャンパスフェローも…というアメリアの力の前に多くのものを失ったロロとデリリウム達が今後どう巻き返していくのか、次巻以降もとても楽しみです。2020/11/30
ゆなほし
42
王国アメリアの脅威から逃れる為、小国キャンパスフェローの領主は大陸に散らばる凶悪な魔女を集めて対抗するという奇策に出る―。最高に熱いダークファンタジーに出会えた!めでたしめでたしの童話をモチーフにしながら、全く新しい暗黒の童話へと染めて魅せる世界観。火花飛び散る騎士たちの戦闘に、魔術師によるド派手な魔法が入り乱れ、仄めく圧倒的な強者の存在がさらなる争いを生む予感を漂わせる。魔女も猟犬も、オリジナリティー溢れる唯一無二のキャラクターだ。まだ序章に過ぎない物語の広大さに、これからを期待せずにはいられない!2020/12/09
オセロ
41
魔術師の力で領土を広げる大国アメリアに狙われた小国キャンパスフェローが打ち出した対抗策は世界各地で忌み嫌われている魔女を集めることだった。各国の思惑が渦巻く中での隣国での魔女の取り引きでは二転三転して手に汗握る展開でした。 多くの犠牲もありつつも様々な因縁が生また今巻。 これぞダークファンタジーという作品で次巻も楽しみです!2020/11/08
星野流人
37
ビビッドな表紙にピッタリの、刺激的なダークファンタジー。魔術師達を従える軍事大国に対抗するべく、規格外の戦闘力を持つ“魔女”を仲間に引き入れようと画策する小国キャンパスフェロー。7人いるという魔女の、その1人目と接触するストーリーだったのですが。その最初のひとりからいきなりとんでもない大事件に巻き込まれ、大国に対抗するどころかキャンパスフェローの情勢は一気に最悪化。まさに絶望としか言いようのない状態まで追い詰められてしまいます。魔女と猟犬だけで、ここからどう反撃の狼煙をあげていくのか……。2023/03/11