内容説明
安禄山、史思明の乱による唐の疲弊は、はなはだしかった。一応の命脈は保っていたが、黄巣の乱を経て、ついに梁にかわられる。中国大陸は、ふたたび覇権争いの修羅場と化し、北宋・南宋の約2世紀半の春秋を送った。やがて、平原のかなたに湧き起こる旋風、モンゴルが荒々しく雄々しく台頭の兆しをみせる。<全6巻>
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
レアル
69
時代は十八史略の最後を〆る宋を重きに書かれている。この時代の戦いも私にとっては読み処で面白い。戦いが多かったわりに文化的には国際的でレベルも高くなってきた。文治主義についても描かれていてこちらも面白い。この巻でこのシリーズも終了。このシリーズは読みやすく、かつ分かりやすく楽しめたが、どちらかと言えば、最後までまで中だるみなく読み終えた、考察と検証で進んだ同著者「中国の歴史」の方が私は面白かったかな!2016/03/18
紫陽花
36
やっと再読の「十八史略」読了。改めて思ったのは中国で覇権を握ったのは漢族に限らないということ。「元」はモンゴル族、「金」は女真族。中華には色んな民族が住んでおり、覇権を争っていたんですね。現在は漢族が強いですけど…。権謀術数、凄いですね。この小説、社会の第一線に身を置く立場としては勉強になることが多いです。2019/03/08
ジンベエ親分
31
再読もようやく最終巻。この巻は唐の後半から五代十国の時代を経て宋、遼や金、そして真打ちともいえるモンゴルによる中国征服(元)すなわち南宋の滅亡まで。世の中がだんだん複雑になってくると、陰謀や政略もなんだかチマチマしてくるというか細かくなる分スケール感は小さくなるな、と。南宋の滅亡は日本の平家の滅亡を彷彿とさせるほど悲痛。日本人に分かりやすいというか、それまでの中国史にはあまりいなかった文天祥のような人物が現れたり、3,000年以上の歴史を駆け足で読むと、国や人のあり方の変化を感じて茫漠としてしまう。2017/12/09
崩紫サロメ
28
最終巻。唐末からモンゴルによる南宋の滅亡まで。独眼竜李克用の話など、世間ではマイナー(?)ながら心躍る話がいろいろあった。以前は新書版で読んだが、文庫版にはあとがきがついており、実は架空の人物を登場させて描きたかったとあった。それはそれでおもしろくなりそうだったが、中国史にあまり馴染みのない人が最初に読むにはこの形が良かったのではないかと思う。『秘本三国志』や『耶律楚材』など同氏の小説と併せて読みたい。2020/02/13
さよちゃん
25
まず、完走出来て大満足です。図書館で借りましたが、この小説は買って、少しづつ、何度も読もうと思いました。歴史を知ることは面白い!6巻では宋の話でしたが、北方謙三さんの「水滸伝」が大好きなので、大変興味深かったです。この調子で、陳舜臣さんには、ぜひ清朝末期まで書いて欲しかったです。2020/09/28