内容説明
白い沫雪がちらつき、町を彩る赤に薄化粧を施す元旦の浅草。美しい着物姿の葵を前に、栗田の心臓は早鐘を打っていた。それもそのはず、この日は赤坂鳳凰堂社長とその妻――葵の両親と初めて顔を合わせる初詣の約束があったのだ。
葵に対する純粋な想いとは裏腹に、父からの一言に引け目を感じてしまう栗田。やがて葵との間に大きな溝が生まれてしまい……。
にぎやかな新春の浅草に浮かび上がる光と影。さて、今回の騒動はいかに?
時を重ねて味わいを増す、恋と和菓子の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
dr2006
66
栗丸堂シーズン2の第3弾。今作は和菓子職人無差別勝ち抜き戦の企てをフレームに、栗田と葵の恋愛がメインの構成。作品の季節も丁度1月で下町のお正月気分も味わえる♪いよいよ葵と恋仲になれた栗田は、老舗和菓子店鳳凰堂を経営する葵の両親と会うことになった。ところが、甘味処の栗丸堂が正月で休業のせいか、葵との関係がビターな展開に…💦勝ち抜き戦の件は巻末で盛大な予告編となっていて次作に持ち越しだ。気になるのでこのまま次を読む。登場人物のキャラは熟知してきたが、和菓子の短編よりシリーズの行方の方が気になる⒲面白かった。2023/01/29
Nyah
50
栗田は元旦の浅草で、葵と葵の両親(赤坂鳳凰堂社長とその妻)と初めての顔合わせで、初詣に。参拝後に休憩で入った店で会った福の神の希望、そして葵と栗田の仲を友達に止めるように言う父「我々は製菓の殿上人であらねばならない」。葵との仲がギクシャク。/たい焼き屋に勤める女性に届く問題の葉書。/葵と栗田は全国和菓子職人勝ち抜き戦に出る事に。「その大会とやらで誰も文句を言えない結果を出して、あなたと並び立てる男になる」。栗田格好いい。/のほほんとした二人が引き裂かれるのかと思った。頑張れ栗田。2021/06/28
ひさか
50
2021年3月メディアワークス文庫刊。書下ろし。シリーズ3作目。通算8作目。次作へのつなぎ的な話に始終した、あまりふるわない回。タイトルもふるいません。次巻が楽しみです。2021/05/09
ぽろん
47
何だかなあ。やっぱり前シリーズの方が好きだなあ。今回は、色々ときな臭い匂いが立ち込めて、、。次巻に期待します。2021/06/03
ひでちん
37
葵さんの両親に挨拶迄済ませた栗田。 当初は和やかで良い雰囲気だったが‥‥物語展開上仕方無いのだろうが、浅羽君の怒りはごもっともで『格式や家柄が違う』とか『○○時代より続く○○の名家&旧家』とかって、これだから面倒臭い‥‥‥で、言っちゃ悪いが、上から目線で居丈高に言ってくる家に限って、よくよくルーツを遡って行くと、クソ大したことも無い場合が多いんよ‥(笑) ともあれ、次巻からは美味し○ぼ的な和菓子対決の展開になるのかな?? 過去の菓子対決の伊豆奈の芋菓子の論拠は、まるで究極対至高の海原雄○のようだった(笑)2022/02/03