内容説明
中東・アフリカへの重電機器の単体輸出から、高度のトータル・システム・エンジニアリングの海外戦略へと、「殿様三菱」を押し進めていったのは、「はみ出し野郎」を名乗る脱管理人間たちであった。ニクソン・ショック、石油ショックの深刻な状況下で、企業存亡の海外市場開拓に突進した、三菱電機重電関係の男たち。<全12巻>
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Lisa Tada
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三菱電機の海外事業に係わる人たちへの取材。海外取引の第1号はGHQとの取引だった。三菱電機の中でも零細部門だった海外事業が、ニクソンショック、オイルショックの中で、大きく飛躍した過程が描かれる。なにより印象的なのは「議論は後で十分やれる、まず動け」と部下にハッパをかけ、「高度成長期に育った若者は豊かさを失ってみないと豊かさの存在がわからん人間になっている」と日本の未来を憂い、海外に赴任する部下には「帰ってくるときは自己満足でいい。自己満足できれば、それで胸張って帰ってこい!」という社風に驚いた。2021/03/02