内容説明
官民が連携した、ボトムアップ型社会サービス事業の米国固有のしくみと実態!従来の自治体やNPOとも異なる、小規模な公共事業のために設置された「半官半民」の下位自治体(特別目的自治体)の数は、一般の地方自治体をしのぎ、全米で実に38000団体以上にまで及んでいる。本書は、数年・数十回にわたる実地調査を通して、米国で特別目的自治体が誕生・普及していく過程、およびその中で行われた自己イノベーションの事例を分析することで、特別目的自治体が米国の、住宅・福祉・生活サービスにおける官民連携の要として機能してきたことを本邦で初めて明らかにする。「市民がささえるローカルガバメント」の具体的なあり様を示した気鋭の研究。
目次
第1部 問題意識と目的(「特別目的自治体」による社会サービス供給の米国の新動向;理論的射程 ほか)
第2部 特別目的自治体の形成と体系(米国における自治体の体系と「特別目的自治体」;特別目的自治体の類型とサービス供給 ほか)
第3部 特別目的自治体のイノベーションと「コミュニティ・エンゲージメント」(特別目的自治体の設計と法的ステイタス―ワシントン州におけるパブリックオーソリティ自治体の制度設計事例;特別目的自治体における「コミュニティ・エンゲージメント」の制度化―パイクプレイスマーケットPDAを事例として ほか)
第4部 特別目的自治体の社会サービス事業の実際としくみ(特別目的自治体と公共ハウジングサービス―「バーミンガムディストリクト・ハウジングオーソリティ」(HABD)を事例として
特別目的自治体における社会サービス事業と支えるしくみ―社会サービス事業の実効化にむけての財団設置)
第5部 今後の新たな地域の地平にむけて(無数の小規模特化自治体が織りなす生活・社会サービスお届け(供給)の都市地平)
著者等紹介
前山総一郎[マエヤマソウイチロウ]
東京都国立市生まれ。文学博士(社会学:東北大学)。福山市立大学都市経営学研究科大学院教授、及びワシントン大学Urban Studies学部客員教授(Affiliate Professor)(兼任)。専門は都市社会学、組織社会学(協働、コミュニティプランニング、ローカルガバナンス、都市コモンズ論)。多数の自治体や地域においてまちづくり協議会、まちづくり計画策定などを支援(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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