内容説明
明暦の大火が江戸を焼いて、一年が経った。人々の生活は未だ落ち着かないままだ。糸はひとり長屋で暮らしていたが、縁切りの手紙を代書する依頼を勢いに負けて引き受けてしまう。浮気亭主との別れ、悪友との絶縁、愛し憧れた役者との別離、親子の決別……「縁切り屋」として立ち会った様々な別れがもたらすのは不思議と涙だけではなかった。あたたかな別れを描いた時代連作短編シリーズ第一弾!
目次
第一章 鈴
第二章 草履
第三章 彼岸花
第四章 飴玉
第五章 ちり紙
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のんちゃん
29
明暦の大火の一年後、17歳の糸は長屋に一人暮らし。両隣には大工の親方とその9つになる娘、奈々と、老婆のイネが暮らす。糸は写本の仕事をしているが、ある出来事から縁切りの手紙を代書する縁切り屋をも兼業する事になる。しかも糸には縁切りで関わる人の生霊が見えて、という話。縁切り屋の相棒となる奈々が9つとは思えないほどしっかり者で驚く。彼女が主人公の糸をくっている感じだ。私は男性時代小説家さんに相性が良くないのだが、本書はそのアレルギーが出なかった。そして、最終話でのイネの話が完結していない。次巻が楽しみだ。2021/02/20
はっち
20
明暦の大火後の江戸 筆一本で生計を立てるお糸 ひょんな事から縁切状を書くことに・・・簡単に縁切りと言っても切れるものではないけど、一つのケジメにはなるのかな?お糸自身の過去やイネ婆さんと息子の事など気になりますが続編が出てるので楽しみかな?2021/11/19
み
15
この作家さん、当たり外れがあるので躊躇したものの、ジャケのニャンコが可愛くて♪今作は当たりでした^ ^続編があるようなので楽しみです^ ^奈々ちゃんが子供に戻れるとイイなぁ。2024/06/29
ごへいもち
11
この表紙は好き。2023/08/12
ベローチェのひととき
11
明暦の大火の一年後、江戸の長屋に一人住まいしている糸の物語。5編からなる連作短編集。糸は縁切り状を代筆することを生業としている。縁切りの裏には色々な事情があり人生を感じさせる。生霊からの情報を当事者に伝えることにより絡まった縁を解きほぐしてゆく。長屋の隣に住む奈々やイネが加わることにより、より味わい深い内容となっている。2021/03/20
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