内容説明
信長に刃向かい、弾正の夢は幻に！ 主殺しにつづく将軍弑逆。下剋上の雄・弾正の前に巨大な敵・信長が立ち塞がる。雄渾な長篇歴史小説――主殺し、将軍弑逆をなして天下を窺う松永久秀の前に、巨大な敵・織田信長が立ち塞がる。久秀はすぐに信長に誼を通じるが、事実、心服していたわけではない。好機至ればまた謀叛を起こそうと、虎視眈々と狙う久秀。しかし彼の読みははずれ、信貴山城に壮烈な最期を遂げる。まさに「乱世、夢幻の如し」！ ＜上下巻＞
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
如水
22
みんな大好き？『リアル・ボンマーマン』事、松永久秀の真骨頂が発揮されます（笑）火計、策略、謀略なんのその。主殺し、将軍弑逆、大仏殿放火とまぁ何でもござれ状態（最近では久秀主導で行って無い事が明らかにされましたが）?話は三好政権が磐石になりつつ有り、久秀が脚光を浴び始める所から。畿内の表裏を掌握出来るとはどれだけの才能をお持ちだったのかをお忘れなく?信長が何故重宝したかが良く分かる内容でした。『自分の才能を余す事無く使い切り好きな様に生きる』そんな生き様もアリな戦国時代の異端児とも言える人を垣間見ました2018/06/05
toshi
7
津本陽の小説は、これが始めて。 背景の説明が長々と続いて、これがなかなか複雑。 ○○が××して、その結果△が◇になって・・・・ 小説ではなく、歴史の教科書を読んでいるようで私にはちょっと。。 2014/11/18
明智紫苑
5
今月は松永久秀強化月間（!?）だが、そのトリを飾るのがこの本。この小説の久秀さんは「歩く放送事故」です（笑）。2015/10/19
鵺
4
戦国の梟雄、松永久秀の一代を描く歴史小説。 2019/08/19
うたまる
2
下巻は久秀と信長の駆け引きが中心。同時代人からも忌み嫌われた両者の冷酷は、性格上の残忍さから来るものではなく、精神上の合理性から来るもの。嫌い合いながら認め合うという関係に微笑した。日本史の中でも本当の革命家と呼んでいい一人かもしれない。最後の口上は創作だろうが、悪党らしい辞世の遠吠えだった。「この世に生れきて、よき夢を見させて貰いしものよ。また変わった夢を見させて貰おうかえ。死んでのちの行き先は三千大千世界や。この世は一時の夢よ。人は裸で生れ、裸で死ぬ。さて、儂が珍重いたせし諸道具を焼き棄てるべし」。 2019/11/02
