内容説明
一代の風雲児・松永弾正の生涯! 阿波の三好長慶に目をつけ、その懐に飛び込んだ弾正。戦国乱世を生きる男たちの魅力! ――傑作『下天は夢か』で雄渾な織田信長像を見事に描き切った著者が、信長の原型をなす下剋上の雄・松永弾正の生涯に挑戦! 公方御庭者・久四郎、後の松永久秀は、混沌とした畿内の情勢を窺っていたが、阿波に勢力を張る三好長慶の懐に飛び込み、次第に寵を得ていく……。戦国乱世に生き抜く武将たちの魅力! <上下巻>
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
如水
27
松永久秀を主題とした骨太歴史小説…と思いきや上巻では久秀から主観的に見た『三好長慶物語』と言っても過言では無い内容。長慶を中心とした歴史小説が余りとゆ〜かほぼ無いので僕にとっては嬉しい限りですが。因みに久秀、前半生(長慶に仕える前)は何をしてたか謎の人なのですが、この小説では法華門徒の武装集団『山城門徒』と称して…分かりやすく言えば自分で徒党を組んで一揆勢に入り強奪の限りをし尽くし(武装集団の中では強い)眈々と自分達を高く評価してくれる人物を見定める…とまぁイメージ通りの人物です(笑)これぞ下克上風雲児!2018/05/22
明智紫苑
3
今月は松永久秀強化月間…と思ったら、「週間」だった(笑)。結構派手に暴れております。2015/10/16
うたまる
2
「いや、儂は猫などという、毒にも薬にもならぬはたらきをいたす獣ではないわい。(中略)儂はのう、蛇じゃ。隙を見て猫さえ食らう蟒(うわばみ)よ」……悪党揃いの戦国時代においても一頭地を抜く松永久秀の一代記。武将なら敵を滅ぼしたい、男なら女とやりたい、人間なら贅沢がしたい。その全ての欲望を忠実に追求し実現した男。できれば過去の復讐だとか弱い者には優しいとか、同情を寄せるような言い訳はして欲しくなかった。純粋なる悪の華の方がもっとよかった。他、三好長慶の成り上がり話は、詳しくなかったので知ることができ嬉しい。2019/10/31
TANAKA KENTAROSU
2
三好半分、松永半分。 資料に乏しい松永久秀の若き頃を、フィクションを交えてどのように描いてくれるかを期待していたので、ちょっと物足りなかったかな。2018/05/15
BIN
2
上巻はほとんど三好の話で、ところどころ松永久秀が活躍しており、最後にこれからが出番だと言わんばかりに台頭してきた。三好と細川の昔の話はちょっとややこしかった。下巻からは権謀術数を操る梟雄の見せどころとなるだろうか。2010/11/27
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- 電子書籍
- 30前後、やや美人 文春文庫