内容説明
一族の秘具<雲神様の箱>と共に山をおりたセイレンは、湖国の若王・雄日子の守り人となり大王への反逆の旅路についた。しかし一族の神の怒りが、セイレンや周囲の者達へ容赦なく襲い掛かり……
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
35
一族の秘具と共に山を降り、湖国の若王・雄日子の守り人となり大王への反逆の旅路についたセイレン。一方、一族の怒りに気づいた神の怒りが思わぬ展開に繋がってゆく第二弾。念願の出会いを果たした雄日子と多数の馬を育てる牧の若長・荒籠。荒籠に見惚れてしまうセイレンと、怒れる大地の神から思ってもみなかった要求を突きつけられる石媛。事態が大きく動き出して戦が近づくのを実感する展開でしたけど、変化の兆しを見せ始めるセイレンの様子も気になりますが、セイレンと石媛の行動がそれぞれに影響を及ぼしている構図がなかなか面白いですね。2020/10/25
kou
33
まるで神話を読んでいるようだった。藍十の親戚の気の良いお兄ちゃん感が微笑ましい。やっと話が動き始めたと感じたので、早く続きが読みたい。2021/01/30
なつきネコ
24
そういえば継体天皇の小説というのはなかなか見ないのではないか。気づいた。しかし、今回で牧という物に初めて理解できた。そのための河内馬飼荒籠のキャラ付けもよく、新しい倭を求める新たな力を持った豪族というのが自然と見えてくる。淀川の水運への流れ。樟葉に拠点をおいた継体天皇が雄日子だと納得でき、この部分だと歴史小説としても読める。セイレンのパートだと和風ファンタジー。セイレンの物知らずな鈍感さがクセになっていく、ないだろうと思っていた藍十がそんなオイシイ位置に行くのも驚いた。雄日子も頑張れとなってしまう。2021/07/06
ときわ
20
前作を読んだ時、土雲の一族を風の谷のナウシカに出てくる腐海の木々みたいな存在と思ってしまったが、まるで違った。私の早合点だった。雄日子側の人たちは魅力的な人が多いのだが、対する大王側はちゃんと造形してあるのは雄日子側に寝返る人だけ。他は敵側の人間というだけで中身がペラペラなのは少し物足りない。土雲って今まで知ってた字と違うなと思っていたら、土蜘蛛がちゃんと出てきた!二つに分かれた「つちぐも」や神様の勢力争い、あまりにひどい目にあっている山魚様。一気にわらわらと出てきて広がった風呂敷。今後の展開が楽しみだ。2020/11/26
seraphim
13
やっと物語が動き出した。しかしまだ始まりにすぎない。土雲の民と土蜘蛛の民の謎も気になるし、もう少し読み続けようと思う。2021/01/15